芸術文化を通じて心豊かな社会づくりに貢献する企業活動を顕彰する「メセナアワード2024」(公益財団法人企業メセナ協議会主催)で、カトーレック(東京)が運営を支援する人気観光スポット「四国村ミウゼアム」(香川県高松市屋島中町)が最高賞の「メセナ大賞」に輝いた。2022年のリニューアルによって、歴史的な建築物や文化財を維持、保全しつつも、展示内容を充実したり、発信方法を工夫したりしている点が評価された。県関係の大賞受賞は06年の「ベネッセコーポレーション(岡山市)と直島福武美術館財団(直島町)」以来2件目。


リニューアルし、メセナ大賞に輝いた四国村ミウゼアム=香川県高松市屋島中町


 同アワードは、1991年にスタートし、今年で34回目。同協議会が認定した全国の116社・団体の175件の取り組みから、大賞1件、優秀賞5件を選んだ。
 四国村ミウゼアムは、江戸から大正時代にかけて建てられた四国の古民家や作業小屋などを移築・展示する野外博物館。22年にリニューアルし、エントランス棟「おやねさん」を新築したほか、展示や建物の解説盤、案内表示も全面的に刷新。5カ国語(日、英、仏、中、韓)の音声ガイドなども導入し、増加するインバウンド(訪日客)の案内にも力を入れている。
 受賞理由について同協議会は「歴史的な建築物や文化財を維持、保全しながら先人の暮らしを後世に伝えており、博物館の新たな可能性を広げている」と説明。リニューアルによって展示内容を充実させ、「地域文化の理解促進につなげている」と評価した。
 四国村ミウゼアムの本城琢也常務理事は「先人の暮らしぶり、営みを理解してもらうための工夫点を評価いただけて光栄。今後も中身をブラッシュアップし、より多くの人に楽しんでもらえる施設にしていきたい」と話した。

(四国新聞・2024/10/25掲載)



関連情報