丸亀市立資料館(香川県丸亀市一番丁)で開催中の刀剣展「ニッカリ青江公開展」に合わせ、香川県仲多度郡多度津町家中の町立資料館に開設した「休憩所」が、全国から来県した刀剣ファンの間でひそかに人気を集めている。和室で旅の疲れを癒やしながら、ニッカリ青江脇指(わきざし)の模造刀に直接触れたり、刀の豆知識を教わったりできることが、ファンの心をくすぐっているようだ。


ニッカリ青江脇指などの模造刀を前に刀の解説を受ける来館者(右端)。奥は石灯籠=香川県仲多度郡多度津町家中、町立資料館

ニッカリ青江脇指などの模造刀を前に刀の解説を受ける来館者(右端)。奥は石灯籠=香川県仲多度郡多度津町家中、町立資料館


 企画したのはニッカリ青江友の会丸亀支部。過去のニッカリ青江展で、展示品を鑑賞し終えた来場者が休憩所や手荷物置き場に困っている様子に着目。無料で休憩でき、同時に刀を楽しめる空間をつくろうと、同資料館とタイアップした。
 「多度津のお手入れ部屋」と名付けた休憩所で、同資料館の奥にある和室を活用。ニッカリ青江脇指と通常の太刀が比較できるよう模造刀を並べたほか、「ニッカリ」の由来となった逸話に出てくる石灯籠を発泡スチロールで再現するなど工夫。刀を手に石灯籠と写真を撮ることもできる。
 大阪から訪れた会社員の沢田麻一夕(まひゆ)さん(24)は「SNS(交流サイト)で知った。刀だけでなく灯籠があったり、解説も楽しめたりして感激」と興奮気味に話していた。
 休憩所の開設は17日までで利用無料。期間中、同資料館では多度津京極藩にまつわる品々を集めた展示会も開催しており、西山慶祐館長は「くつろぎながら、同時に多度津の歴史も知ってもらえれば」としている。

(四国新聞・2024/11/05掲載)



関連情報