高松観光の変遷たどる 大正~昭和の遊覧案内活用 高松市歴史資料館 12月22日まで
大正~昭和前期の高松の観光パンフレットに焦点を当てた企画展「VIEW OF TAKAMATSU遊覧案内図にみる近現代高松の風景」が、香川県高松市昭和町の市歴史資料館で開かれている。栗林公園などの名所を描いた鳥瞰(ちょうかん)図を中心に115点が並び、かつての観光のあり方や高松の街の移り変わりを浮かび上がらせている。12月22日まで。
同館によると、大正~昭和前期は交通網の整備によって観光旅行への関心が高まり、各地で「遊覧案内」と呼ばれたパンフレットが発行された。企画展はそれらに掲載された鳥瞰図を歴史資料として捉え、写真も交えながら高松の変遷をひもとくのが狙い。
このうち、大正末期のパンフレットには市内電車の路線とともに栗林公園が拡大・誇張して描かれ、当時から同公園が高松観光の目玉だったことがうかがえる。一方、瀬戸内海(小豆島、屋島)が国立公園の候補地になった1931年に県が発行したパンフレットには、高松港から島々へ向かう航路も盛り込まれ、候補地入りを契機に自治体が観光誘致を図ったことが見て取れる。
また、32~35年ごろに岡山県から訪れた旅行者が屋島や栗林公園で撮影した動画も公開しており、観光を楽しむ人々の様子などが注目を集めている。内田千裕学芸員は「歴史資料としての観光パンフレットの可能性を知ってほしい」と話している。
12月14日午前10時から展示解説。入場料は一般300円ほか。問い合わせは同館、電話087-861-4520。
(四国新聞・2024/11/28掲載)
企画展「VIEW OF TAKAMATSU 遊覧案内図にみる近現代高松の風景」