高松空港株式会社(香川県高松市)は16日、同空港旅客ターミナルビルの国際線エリア増改修工事について、来年1月下旬に着工し、2027年3月ごろの供用開始を目指す計画を発表した。国際線受け入れ体制を強化するため、搭乗橋を1基増設。3階建ての建物の増築や既存エリアの改修により、搭乗待合室などを約1・5倍、入国審査場や手荷物受取場を約2倍の規模に拡大する。


高松空港旅客ターミナルビル国際線エリアの増改修工事イメージ

高松空港旅客ターミナルビル国際線エリアの増改修工事イメージ


 空港運営を担う同社によると、24年度の同空港の国際線旅客数はインバウンド(訪日客)の増加などを背景に46万人に達する見込みで、過去最多だった18年度の約32万人を大きく上回る。空港間の訪日客獲得競争が激化する中、同社は県と連携して、東南アジアなど新規路線開設に向けて施設の拡大計画を進めている。
 今回の計画によると、搭乗橋はターミナルビル西側に1基を増設。国際線の搭乗橋は従来、専用と国内線併用の2基体制だったが、3基に増やすことで短時間で3便が出発または到着できる体制を整える。国内線専用を含むと、固定式の搭乗橋は5基になる。



 増築する建物は延べ床面積約3300平方メートル、鉄骨造りの3階建てで、ビル西側の現バス待機場に建設する。既存のビル部分と連結し、チェックインカウンターや入国審査場を設ける。
 改修は約2500平方メートルで行い、増築部分と合わせて機能を再配置する。主な設備の拡充は▽搭乗待合席290席↓約450席▽チェックインカウンター16↓20ブース▽出発ゲート2↓3カ所―など。入国審査場と手荷物受取場の拡大により、手続き時間の短縮を図る。待合室の商業エリア拡大も予定している。
 施設の完成予定は搭乗橋が来年10月末ごろ、増築部分が26年8月ごろ、改修部分が27年3月ごろ。改修終了後に全体の供用開始となるグランドオープンを迎える。事業費は非公表。
 同空港の国際定期路線はソウルや台北など4路線があり、チャーター便を含めると現在、5路線で過去最大の週33往復が運航している。同社の小幡義樹社長は「増改修後は旅客数の受け入れ容量が年間80万~90万人に増える見込み。空港の機能強化とサービスの向上を、さらなる交流人口拡大につなげたい」と話した。

(四国新聞・2024/12/17掲載)



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