JR四国(高松市)は24日、同社初の1次産業として陸上養殖を進めているサーモンを来年1月10日からJRホテルクレメント高松(同市浜ノ町)のレストランメニューで提供すると発表した。餌に粉ミルクを混ぜていることから、「ミルクサーモン」と命名。12月26日からは首都圏のホテルやスーパーで先行販売も行う。


JR四国が養殖した「ミルクサーモン」(奥)とホテルクレメント高松で提供する料理

JR四国が養殖した「ミルクサーモン」(奥)とホテルクレメント高松で提供する料理


 陸上養殖は今後の四国内での実施に向け、熊本県八代市で地下水養殖を手がける事業者「ひらやま」と協業。8月から同市内に養殖用プールを設置し、ひらやまのノウハウを得ながら、キングサーモンとニジマスなどを掛け合わせた「選抜育種」の品種とトラウトサーモンを育てている。
 JR四国によると、ミルクサーモンは脂の少ないあっさりとした味わいや甘みが特長。餌に混ぜているのは乳児用の粉ミルクで、国内養殖でほかに使われている例はないという。
 初出荷は約150匹。クレメント高松では、和食レストランで漬け丼、洋食レストランで「ミキュイ」と呼ばれる半生状態に調理した一皿をコース料理内で提供し、食材がなくなり次第終了する。首都圏ではホテル「シャングリ・ラ東京」のレストランメニューに出すほか、スーパーのイトーヨーカ堂の系列5店舗で総菜を期間限定で販売する。
 年間生産量は約3千匹を目標としており、次回出荷は来年夏前に約2千匹を見込む。四国内の養殖地候補は10カ所程度を検討しており、会見で試食も行ったJR四国の四之宮和幸社長は「ミルクサーモンは臭みがなく、おいしい。四国内の養殖場所の選定を進め、事業を通して地域の活性化に寄与したい」と話した。

(四国新聞・2024/12/25掲載)


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