美求め磨いた技一堂に 第71回日本伝統工芸展 1月2日から 香川県立ミュージアム 漆芸など7部門220点紹介
工芸界で国内最大規模の公募展「第71回日本伝統工芸展」が、1月2日から香川県高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで開かれる。漆芸や陶芸など7部門の入賞・入選作など計220点を展示。香川をはじめ全国の作家の研ぎ澄まされた技と美が集結し、新春を芸術美で彩る。19日まで。
同展は陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門に全国の1054人から1146点の応募があり、入賞16点を含む539点が入選。このうち、県内在住者は12人(漆芸10人、陶芸2人)が入選した。
全国11カ所を巡回する展覧会の7カ所目となる高松展では、重要無形文化財保持者(人間国宝)41人の作品をはじめ、入賞作と四国や香川ゆかりの作家の作品を中心に展示。漆芸部門は入選した77点全てを紹介する。
地元の人間国宝は山下義人(高松市)と大谷早人(同)が出品。山下の「蒟醤食籠(きんまじきろう) オーロラ」は不規則な彫りを施すことで、ゆらめくオーロラを映し出した。大谷の「籃胎(らんたい)蒟醤飾箱 紫空(しくう)」は、空が紫色に染まる一瞬の美しさを蒟醤のグラデーションで表現している。昨年死去した人間国宝の磯井正美が同展に出品した最後の作品「蒟醤三友之圖合子(さんゆうのずごうす)」も紹介する。
11日午後1時30分からは、工芸評論家の外舘和子による講演会(参加無料、要申し込み)がある。会期中は入選作家が作品解説を行う。日程は▽4日 佐々木博(漆芸)▽5日 栗原慶(陶芸)▽13日 北岡道代(漆芸)▽18日 伊藤信夫(陶芸)▽19日 藪内江美(漆芸)―。各日とも午後1時30分から。
入場料は一般700円(前売り560円)ほか。問い合わせは香川県立ミュージアム、電話087-822-0247。
(四国新聞・2024/12/25掲載)