香川県高松市牟礼町で創作活動を行った世界的彫刻家イサム・ノグチ(1904~88年)の作品を紹介する「アートコレクション 生誕120年記念イサム・ノグチⅣ 庭」が、県立ミュージアム(同市玉藻町)で開かれている。庭園などの環境設計も手がけてきたノグチの活動の一端に触れることができる。3月2日まで。


石を模した五つのブロンズ彫刻で構成する「夢窓国師の教え」=高松市玉藻町、県立ミュージアム

石を模した五つのブロンズ彫刻で構成する「夢窓国師の教え」=高松市玉藻町、県立ミュージアム


 同館はノグチの生誕120年を記念し、年間を通じて5期にわたってテーマ展を開催。今展では石を模した五つのブロンズ彫刻で構成する「夢窓国師の教え」(62年)を紹介している。
 ノグチは30年代に来日した際、鎌倉~南北朝時代に活躍した僧侶で禅宗寺院の作庭の先駆者・夢窓疎石(夢窓国師)が手がけた庭などを訪問。感銘を受け、作品に要素を取り入れるようになったという。
 同作はコンクリートの床上に落とした粘土を踏んで成形したものが原型。かかとで強く踏みつけた跡も見られ、「彫刻は重力を伴いながら、大地と一体となって空間を生成する」という自身の考えを体現しているかのようだ。
 このほか、ノグチがデザインした「チェイス・マンハッタン銀行プラザのための沈床園」(米ニューヨーク)やユネスコ本部(仏パリ)の日本庭園の写真パネルも展示している。
 担当学芸員は「角度を変えながら鑑賞し、見え方の違いを楽しんでほしい」としている。
 入場料は一般410円ほか。1月18日午後2時30分から展示解説。問い合わせは同館、電話087-822-0247。

(四国新聞・2025/01/16掲載)


香川県立ミュージアム



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