写真家・藤安淳(東京都出身)の作品を紹介する企画展「かさなるひかり Layered Lights」が香川県高松市紺屋町の市美術館図書コーナーで開かれている。本と写真という異なった存在が、互いに影響し合う事で、新たな関連性を浮かび上がらせている。3月16日まで。


赤や青などカラフルな作品が並ぶ企画展=高松市紺屋町、市美術館

赤や青などカラフルな作品が並ぶ企画展=高松市紺屋町、市美術館


 本展では25点を出品。人間が光(Light)を通して対象を知覚していることや、人や物事はさまざまな要因が合わさった結果「存在する」ことを、画像編集ソフトを用いた技法を層(Layer)のように重ねて表した。
 写真に映し出された対象物が、抽象的な見え方になるまで繰り返し加工。赤や青、緑などのインクが広がったようにも見える作品や、鑑賞者が“ショッキングブルー”と表現したという目の覚めるような水色が入ったものもある。
 窓ガラスには同様の写真がプリントされた透明シートを貼っている。窓越しの景色が変わって見えたり、光の入り方で色が変化したりと、作品のコンセプトと通ずるところがある。
 担当学芸員は「いろいろな関係性を踏まえて物事を見る大切さに気付いてもらえれば。本と写真が共鳴した空間を楽しんで」としている。
 2月8日午後2時からアーティストトーク。入場無料。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2025/01/30掲載)



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