医療・介護支援、ホテルでも 高松・塩上町に対応施設 段差なし、バリアフリーも
病気や障害がある人とその家族が一緒に快適な旅行を楽しめる「ユニバーサルツーリズム」に対応したホテルが、香川県高松市塩上町にオープンした。訪問介護を手がけるQOL(高松市)が開業し、宿泊施設運営のあなぶきスペースシェア(同)が運営。事前の打ち合わせにより、24時間体制で滞在中に必要な医療処置や介護サービスを提供する。
同市の商業施設「瓦町FLAG」の近くで1月31日に開業。名称は「Hotel QOL 瓦町」。2階建てで延べ床面積は約246平方メートル。定員6人の客室を5室(広さ約30~35平方メートル)備える。冷蔵庫や洗濯機、キッチンなどの設備があり、車椅子に対応できるよう、部屋の中は段差をなくして廊下を広くしたバリアフリー仕様としている。
医療・介護サービスの提供は事前予約制。病状などを踏まえて宿泊プランを作成し、宿泊者が必要とする時間に医療スタッフや介護士が客室を訪問し、点滴や投薬、おむつ交換、入浴支援などを行う。地域の在宅診療の医者らと連携し、容体が急変した際などの緊急時にも対応する。
基本的な宿泊料金は1人当たり1泊1万円程度を想定。QOLはホテル事業初参入で、増加するインバウンド(訪日客)の利用も見込む。中村千明社長は「既存の宿泊施設では十分に対応できない課題を解決し、地域の交流拠点としても活用したい」としている。
(四国新聞・2025/02/08掲載)