陶芸の魅力、庵治石で 西公美(三木)個展 食器など約50点 高松、来月30日まで
香川県三木町の芸術士・西公美の個展「つちとわたし、いしとわたし」が香川県高松市庵治町の歯ART美術館で開かれている。2024年度のかがわ県産品コンクールで知事賞に輝いた食器など約50点が並び、来場者を魅了している。3月30日まで。
西は三重県出身、学生時代には油絵を学んでいたという。2014年から作陶を始め、約6年前に香川に移住。同町に工房「アートスペースにしくみ」を構え、体験教室などを開催して陶芸の魅力を発信している。
知事賞を受賞した食器「せとうち讃岐・大地のうつわ Loci ロキ~Ajiシリーズ~」は、庵治石の粉末を50%以上加えた粘土で制作。滑らかな手触りと強度の高さが特長。粉末は本来、産業廃棄物として捨てられるといい、西は「作品を通じて環境問題にもアプローチできた」とする。
粉末の配合量によってはガラスの透明感が失われたり、石のような見た目になったりすることも。会場にはテスト用に制作した小皿のうち約300枚を展示、5年にわたって試行錯誤を重ねた背景がうかがえる。
また、ロキシリーズと同じ粘土を用いて作った花器は、石に花が咲いたような不思議な空間を生み出している。波としずくをイメージした壁掛けなどもあり、会場を彩っている。
西は「庵治石と、そこから生まれた作品の魅力を知ってもらえれば」と話している。
入場料は一般600円ほか。問い合わせは歯ART美術館、電話087-871-0666。
(四国新聞・2025/02/20掲載)