高松市美術館、新たに23点収蔵へ 小川信治さんの油彩画/音丸耕堂の漆芸 塩江美術館は5作品
高松市美術館は20日、2024年度の新たな収蔵品として、愛知県在住の美術家・小川信治さんの油彩画、重要無形文化財保持者(人間国宝)の漆芸家・音丸耕堂(1898~1997年)の作品など購入7点、寄贈・寄託16点の計23点を取得すると発表した。購入予定額は約1千万円。
19日に開かれた市美術品等収集審査会(会長・渡部浩よんでん文化振興財団常務理事)で収集を承認、大西秀人市長へ答申した。収集品の内訳は、油彩画3点、版画1点、写真2点、素描2点、彫刻2点、漆芸12点、金工1点。新たな収蔵品はコレクション展などで順次公開する。
小川さんの作品「ブランコの絶好のチャンス」(2013年制作)は、名画から人物を消し去って描く「Without You」シリーズの一つ。18世紀のフランスの画家フラゴナールの作品を下敷きに描き、大きく揺れるブランコと宙に飛ばされたサンダルが人物の不在を強調している。
音丸耕堂の「彫漆浦島草文手箱」(1954年制作)は、人間国宝に認定される前年の作。四国を中心に分布する植物・浦島草をモチーフに、ふた全体に葉や花弁を配し、モノトーンを基調に仕上げている。
高松市塩江美術館は、同市在住の陶芸家・田淵太郎さんの陶作品「square rod」を購入するほか、油彩画4点が寄贈される。
(四国新聞・2025/02/24掲載)