ひなを愛でて街歩き 民家など66軒に展示 宇多津 古街でイベント
桃の節句(3月3日)を前に香川県綾歌郡宇多津町の古街エリアで1日、恒例のひな祭りイベント「うたづの町家とおひなさん」が始まった。民家や公共施設など、エリア内にある66軒が展示場所として参加。大勢の家族連れらが訪れ、家ごとに趣の違うひな飾りを愛(め)でながら街歩きを楽しんだ。2日まで。
イベントは、江戸末期から昭和初期に建てられ、虫籠(むしこ)窓や出格子をあしらった町家が今も残る古街エリアを町のにぎわいづくりに生かそうと、2004年から毎年開催しており、今年で22回目。地元住民らで構成する実行委が主体となって企画、運営している。
格子窓やガラス戸の向こう側では、それぞれの家庭で愛蔵するひな人形を飾っている。こめっせ宇多津では町商工会青年部がお内裏さまやおひなさま、女官らが4隻の花の舟に乗り、川下りを楽しむ風景を描いたジオラマを制作。縦約3メートル、横約5メートルのボードを約800本のカーネーションで飾り付けた。
寺院の聖徳院で展示された江戸時代のひな人形は、細いつり目、かぎ鼻、おちょぼ口と、現代とは顔つきが変わっており、時代の変遷を感じられる。国の登録有形文化財・倉の館三角邸では、高松市の作家・大坪福代さんと教室生が古い着物を仕立て直したミニ着物作品約50点を並べた。
2日は午前9時から午後4時まで開催。午後1時には宇夫階神社から町保健センターまで、打ち掛け姿の花嫁らが練り歩く「うたづの嫁入り福あるき」を実施(雨天時は、会場を同センターに変更)。あみのうら交流センターでは、宇多津鹿島踊り保存会や香川短期大ダンス部などのステージもある。
(四国新聞・2025/03/02掲載)