取れ過ぎたハモ、野菜の端材 もったいないをカレーに 付属高松小とJTB、レトルト開発 高松空港で利用客にPR
地元食材をおいしく楽しみながら、食品ロス削減について考えてもらおうと、香川県高松市番町の付属高松小学校(上野耕平校長)の5年生が、漁で取れ過ぎたハモや野菜の端材を使ったレトルトカレーを開発した。同市や旅行大手のJTBとタッグを組み、ハモのうま味とトマトの酸味を利かせた一品。6日は高松空港で児童自らチラシを配り、利用客らに商品をアピールした。
カレーの開発は、昨年6月に児童たちが校外学習で市中央卸売市場(同市瀬戸内町)を見学した際、JTBが運営する飲食店に立ち寄ったのがきっかけ。取れ過ぎたり、形が悪かったりするだけで食べてもらえない魚や野菜が多いと知り、「もったいないから活用したい」と、同社社員らと協力してレシピを考案した。
JTBなどによると、ハモは地球温暖化などの影響で瀬戸内海で多く取れるようになったが、小骨が多く下処理に手間がかかるため家庭では使いにくく、市場に流通させづらい。また、海に放流すると在来魚を食べてしまい生態系を乱すため、取り扱いに困っているという。
商品は、漁で取れ過ぎて余ったハモに、県産アスパラガスやブロッコリーの端材を組み合わせた「瀬戸内鱧(はも)とカレー。ときどきトマト。」。地元食材を生かそうと、県産唐辛子「香川本鷹(ほんたか)」や三豊ナス、オリーブハマチをじっくり煮込んだ「香川本鷹とタイっぽいカレー。」も合わせて開発した。
この日、高松空港で販売をスタートし、児童は2階の売店前で協力して商品を陳列したほか、1階の到着ロビーで「みんなで作ったカレーを売っています」と呼びかけながら空港利用客にチラシを配布した。
段ボールで作った三豊ナスのかぶり物姿で商品をPRした中條新大(あらた)さん(11)は「たくさんの人にカレーを食べてもらい、もったいない食材について考えてほしい」と話していた。
価格はいずれも880円。今後は同市のほか、小豆島、土庄両町の10店舗で計4千個を販売する。
(四国新聞・2025/03/11掲載)