四国こんぴら歌舞伎大芝居 来月4~20日 獅童さん親子初出演 江戸の風情、間近に
第38回「四国こんぴら歌舞伎大芝居」(琴平町、同大芝居推進協議会主催、四国新聞社など後援)が4月4~20日の17日間(10日休演)、国指定重要文化財の旧金毘羅大芝居・金丸座(同町)で開かれる。今公演は、初出演となる中村獅童さんと長男・中村陽喜(はるき)さん(7)、次男・中村夏幹(なつき)さん(4)の親子3人をはじめ、中村萬壽(まんじゅ)さんら萬屋(よろずや)一門の豪華俳優陣が顔をそろえる。念願の出演となる獅童さんは「何年も前から出たいという思いがあったので、ありがたくうれしい。お客さまとの距離が近いのも楽しみ」と期待を高める。讃岐路に本格的な春の到来を告げる歌舞伎の一大イベントが、いよいよ始まる。
獅童さん親子初出演 「お練り」は3日
公演は各日午前、午後の2部制で、計32公演。午前11時開演の第一部は、義太夫狂言の名作「彦山権現誓助剱毛谷村(ひこさんごんげんちかいのすけだちけやむら)」で幕開け。毛谷村六助を中村萬太郎さん、一味斎娘お園を中村時蔵さん、微塵弾正を中村錦之助さんが演じる。人情の機微を描く「新皿屋舗月雨暈魚屋宗五郎(しんさらやしきつきのあまがささかなやそうごろう)」では、魚屋宗五郎を中村獅童さん、磯部主計之助(かずえのすけ)を中村萬壽さんが演じる。
午後3時半開演の第二部の始まりは、金丸座初上演となる舞踊劇「蜘蛛の拍子舞(くもひょうしまい)」。萬壽さんが美しい妻菊と恐ろしい女郎蜘蛛の精を演じる。同じく初上演で、落語が元になった「眠駱駝物語(ねむるがらくだものがたり) らくだ」では、紙屑買久六を獅童さんが演じる。陽喜さん、夏幹さんとの親子共演も。
一座は開演前日の4月3日、金刀比羅宮での成功祈願祭の後、恒例の「お練り」を実施。人力車に乗った役者陣が石段の1段目前を出発し、町内を巡って町民や歌舞伎ファンに顔見せをする。
公演中は、ボランティアも盛り上げに協力。町商工会青年部が舞台装置の運営を手助けするほか、かすりの着物姿の「お茶子さん」は会場案内や売店補助を担う。
千秋楽の同20日は、開演前に「三味線餅つき」を予定。人気役者らがついた餅は来場者に振る舞われる。
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入場券の一般発売は3月30日まで松竹(電話、専用サイト)、同31日以降は町役場の事務局で取り扱う。A席1万6千円、B席1万2千円、特別席2万円。問い合わせは事務局〈0877-75-6714〉。
(四国新聞・2025/03/15掲載)