香川県仲多度郡まんのう町中通の「ことなみ未来館」(旧琴南中学校)などで、現代アートイベント「山の小さな展覧会」が開かれている。豊かな自然と人々の暮らしが溶け込む琴南地区で「あわい―境界の美」をテーマに作品を展開。日常の中で見逃しがちな視点をアートで表現している。30日まで。


「あわい」をテーマにした作品が並ぶ会場=香川県仲多度郡まんのう町中通、ことなみ未来館


 住民団体「ことなみ未来会議」の文化活動部会(谷川博史代表)が2017年から開催しており、7回目。今回は県内外の作家17組と地元小中学生らが行ったワークショップの作品を、同館と近くの中通八幡神社、工場跡など4会場で展示している。
 同館では、千葉尚実と岡内大三のユニット「(仮)」が、琴南地区に残る伝承を題材に複数人で「伝言」を行った映像を紹介。「徳島との県境に住む琴南の人は昔、徳島の人と相撲を取っていた」という内容で、伝聞によって伝承があいまいに変化していくさまを表現している。
 工場跡では、作家5人のインスタレーションを空間を仕切らずに展示。さまざまな表現が入り交じることで、作品の境界はどこか、あるいは融合しているのか、と鑑賞者に不思議な感覚を生じさせる。



 入場料は一般300円ほか。30日午後1時から同館で音楽とダンスのパフォーマンス。問い合わせはことなみ未来館、電話0877-89-4626。

(四国新聞・2025/03/20掲載)



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