2025お花見ガイド 春の宴もうすぐ
日を追うごとに暖かくなり、多くの人が胸躍らせる花見シーズンが間近に迫ってきた。各地の桜の名所では、夜間ライトアップや催しを企画するなど、来場者に喜んでもらおうと趣向を凝らす。シーズンを控え、香川県内の花見スポットを紹介する。お出かけ前には見頃の確認をお忘れなく。
栗林公園(香川県高松市栗林町)
開園150周年を迎えた国の特別名勝。ソメイヨシノやシダレザクラなど約300本が花を咲かせる。28日~4月6日は午後6時からライトアップを行い、開園時間を同9時まで延長(入園は同8時半まで)。讃岐民芸館の「古民芸館」の白壁には、同園のこれまでを振り返る画像や150周年記念ロゴを投影する。北湖では、和船の夜間運航(同6時から15分間隔で9便。要予約)を行うほか、土日には三味線のライブなど多彩な催しがある。
【メモ】JR栗林公園北口駅から徒歩約3分。ライトアップ期間中の土日は、ハローワーク高松(花ノ宮町)に無料の臨時駐車場を設ける。利用時間は午後5時~同9時半。栗林公園観光事務所〈087-833-7411〉。
玉藻公園(香川県高松市玉藻町)
東門を入ってすぐの「桜の馬場」には、ソメイヨシノや陽春、シダレザクラなど計76本が咲き誇る。見頃の時季に行う恒例の夜間(午後5時半~同8時)の無料開放は、今年は28日から4月6日までの見通し。約150個のぼんぼりがともり、幽玄な雰囲気が漂う中、思い思いに園内の散策や桜見物が楽しめる。
【メモ】JR高松駅から徒歩約3分。玉藻公園管理事務所〈087-851-1521〉。
峰山公園(香川県高松市峰山町)
石清尾山にある家族連れらに人気の公園。芝生広場近くから遊歩道に入ってしばらく進んだ「東石清尾地区」にある約400メートルの桜並木が見どころの一つ。石清尾山古墳群にちなんだ大型遊具が並ぶ「はにわっ子広場」から展望台へ向かう道沿いもお薦めの花見スポットで、展望台からは瀬戸内海の多島美や市街地の大パノラマを楽しめる。「桜園」には、珍しい緑色の花を咲かせる御衣黄桜(ぎょいこうざくら)もある。
【メモ】高松自動車道高松中央ICから車で約20分。峰山公園管理事務所〈087-834-7297〉。
さぬき空港公園(香川県高松市香南町)
高松空港に隣接した公園で、ソメイヨシノを中心に約1500本が園内をかれんなピンク色に染める。「ポートヒルゾーン」のイベント広場周辺、「カントリーゾーン」の催し物広場周辺が見どころ。25~27日は、隣接するさぬきフラワーガーデンのしだれ桜のライトアップに合わせて午後8時まで開園し、催し物広場の桜をライトアップ。花見時期の28日から4月9日までは、開園時間を同6時まで延長する。
【メモ】高松空港から徒歩約10分。車の場合は高松市中心部から約30分。さぬき空港公園〈087-879-8510〉。
公渕森林公園(香川県高松市東植田町)
93ヘクタールの広大な土地にある森林公園。ソメイヨシノなど約5千本が咲き誇り、メインストリートの約500メートル区間では、桜がアーチをつくる。例年の見頃は3月下旬~4月上旬。桜と競い合うように咲く約6千本のチューリップも圧巻だ。今年は28日~4月6日に夜間のライトアップ(午後6時~同9時)を初めて実施し、道なりに飾り付けたちょうちんで幻想的な雰囲気を演出する。30日には恒例の「さくらまつり」を開催する。
【メモ】高松自動車道高松中央ICから車で約20分。駐車場は約760台(夜間は約360台)。公渕森林公園管理事務所〈087-849-0402〉。
蛙子池(かえるごいけ)さくらの森(香川県小豆郡土庄町肥土山)
土庄町などが2006年から整備し、手入れを続けている桜の名所。銚子渓自然動物園「お猿の国」の駐車場から約1キロ南東にある蛙子池まで続く道沿いや池の周辺にソメイヨシノや陽光桜、大島桜など合わせて約千本が植えられている。見頃は4月上旬から同中旬までとみられる。標高が高く、入り組んだ地形のため場所によって開花時期が大幅に異なり、長く花が楽しめる。
【メモ】土庄港から車で約20分。一般社団法人「setouchiとのしょう」〈0879-62-2009〉。
城山(しろやま)桜公園(香川県小豆郡小豆島町池田)
ソメイヨシノを中心に、寒桜など約500本が池田湾を見下ろす高台の公園一帯を淡いピンク色で覆う。青い海や緑の島々、行き交う船を背景に、多くの野鳥がさえずる中で眺める花には格別の趣がある。見頃は3月末から4月中旬までの見通し。木下恵介監督の映画「二十四の瞳」(1954年公開)では満開の桜の下、「電車ごっこ」の場面が撮影された。地元有志でつくる城山保存会が遊歩道や木々の手入れ、ぼんぼりの設営などを行っている。
【メモ】池田港から車で約5分、土庄港からは約15分。国民宿舎小豆島〈0879-75-1115〉。
前山ダム周辺(香川県さぬき市前山)
ダム周辺に約500本のソメイヨシノが立ち並び、穏やかな湖面と桜を同時に楽しめるスポットとして、見頃を迎えると大勢の花見客でにぎわう。周囲には全長約3キロのウオーキングコースがあり、家族連れらが散策を楽しむスポットとしても知られる。ダム近くには地元の新鮮な野菜などが購入できる道の駅ながお、四国遍路に関する多彩な史料を展示しているおへんろ交流サロンがある。
【メモ】高松自動車道志度ICから車で約20分。市商工観光課〈087-894-1114〉。
亀鶴公園(香川県さぬき市長尾名)
宇佐神社と公園中央の池に浮かぶ亀島を結ぶ約300メートルの桜並木は東讃屈指の花見スポットとして人気が高い。約200本のソメイヨシノなどが道の両脇に並び、満開時には桜のアーチができる。24日から見頃が終わるまでは夜間ライトアップ(午後6時~同9時)も行う。4月6日には同神社恒例の「鎮花祭(はなしずめのまつり)」があり、平安絵巻から飛び出したような着物姿の行列が花見客を魅了する。
【メモ】琴電長尾駅から車で約5分、高松自動車道志度ICからは約15分。市商工観光課〈087-894-1114〉。
亀山公園(香川県丸亀市一番丁)
丸亀城を頂く園内にソメイヨシノを中心にヤマザクラなど約650本が咲き誇り、大勢の市民らでにぎわう。お薦めは大手門近くのうるし林や二の丸など。25日~4月10日には「丸亀城桜まつり」を開催。大手門広場やうるし林近くに約20の露店が並び、日没から午後9時ごろまで約500個のぼんぼりを点灯。二の丸では「桜の海」と称したライトアップも行う。
【メモ】JR丸亀駅から徒歩約15分。車は高松自動車道坂出、善通寺両ICから約15分。市観光協会〈0877-22-0331〉。
桃陵公園(香川県仲多度郡多度津町)
瀬戸内海を見下ろす高台にソメイヨシノなどが約1500本。4月3~5日(予定)は日没から午後9時までライトアップする。同6日には「たどつさくらまつり」を開催。地元中学生の吹奏楽演奏やキッズダンス、マジックショーのほか、飲食販売、消防車乗車体験、起震車による地震体験なども行われる。堀江サッカー場では「全国凧(たこ)あげ大会」を同時開催。
【メモ】JR多度津駅から徒歩約20分。車は高松自動車道善通寺ICから約20分。町政策観光課〈0877-33-1116〉
鎌田池(香川県坂出市小山町)
国道11号の金山トンネルを西に抜ければ左手にすぐ、池北側の遊歩道(約650メートル)沿いに並ぶ約100本のソメイヨシノが見えてくる。近くの坂出中学校南の貯水池沿いにも桜並木があり、水面に色鮮やかな花が映し出される。池東側の公園には遊具や広場が整備されており、家族連れで訪れて満開の桜を楽しめる。池の周囲は約1・6キロあり、住民のウオーキングコースとしても親しまれている。
【メモ】JR坂出駅から車で約5分、徒歩約20分。公園利用者向け駐車場が10台。市産業観光課〈0877-44-5103〉。
金刀比羅宮(香川県仲多度郡琴平町)
ソメイヨシノやボタンザクラ、ヤマザクラなど約3500本が境内を彩る。中でも大門から約150メートルにわたって石畳が続く「桜馬場」は桜の名所として有名。両側に並ぶ桜が薄桃色のアーチを形成、風に舞う花びらが参拝者に春を届ける。恒例の鎮花祭「桜花( さくら )祭(さい)」は4月10日にあり、本宮で巫女(みこ)が優雅な舞を奉納。金刀比羅宮の鎮座する象頭山全体では、7千本以上が花を咲かせる。
【メモ】表参道入り口までJR、琴電両琴平駅から徒歩約15分。高松自動車道善通寺ICから車で約15分。社務所〈0877-75-2121〉。
琴弾公園(香川県観音寺市有明町)
銭形砂絵「寛永通宝」で知られ、開園から125年を迎えた名勝。園内にはソメイヨシノを中心に約350本の桜があり、「日本さくら名所100選」に選定されている。明治時代の著名な造園家小沢圭次郎が設計した琴柱池(ことじいけ)の周辺が格好の撮影ポイント。朱塗りの反り橋とピンクの桜が水面に映える。見頃に合わせて日没後、ぼんぼりに明かりがともされ、夜桜見物を楽しめる。
【メモ】高松自動車道さぬき豊中ICから車で約15分。JR観音寺駅から徒歩約20分。市観光協会〈0875-24-2150〉。
不動の滝カントリーパーク(香川県三豊市豊中町)
七宝山の南麓に位置し、高さ約50メートルの断崖を流れ落ちる「不動の滝」を望む。四季折々の自然を楽しめる三豊市を代表する公園で、春は滝付近や不動池の周囲、遊歩道沿いなどに、ソメイヨシノを中心に約300本の桜が咲き誇る。広い園内には遊具が設置された芝生広場やパットゴルフ場があり、子ども連れにぴったりの花見スポット。
【メモ】高松自動車道さぬき豊中ICから車で約10分。JR本山駅から徒歩約20分。駐車場は約80台。市豊中コミュニティセンター〈0875-62-5205〉。
紫雲出山(香川県三豊市詫間町)
桜と島々が織りなす絶景が欧米メディアに紹介され、外国人観光客が増えている。桜シーズンにはオーバーツーリズム対策で入山の完全予約制を実施。見頃は平地より遅れることが多く、昨年は4月5~11日ごろだった。今年は25日~4月13日を桜シーズンとし、期間中、マイカー客はオンラインで予約した車両に限り、有料で入山できる。
【メモ】JR詫間駅から車で約45分。入山チケットの料金は乗用車1台につき平日1750円、土日2300円。徒歩で登山する場合は予約は不要。1人500円の桜募金に協力を依頼する。市観光交流局〈0875-56-5880〉。
(四国新聞・2025/03/25掲載)