西讃のフジの名所として知られる香川県三豊市財田町の萬福寺(金山俊弘住職)で、フジ棚の「三尺藤」が満開になった。かれんな薄紫色の花房が涼しげに風に揺れ、多くの人が観賞に訪れている。


フジ棚から垂れ下がり、涼しげに揺れる花房=香川県三豊市財田町、萬福寺

フジ棚から垂れ下がり、涼しげに揺れる花房=香川県三豊市財田町、萬福寺


 同寺では、約100平方メートルのフジ棚で樹齢60年程度のフジ4種類を栽培。山門近くの三尺藤は25日ごろ満開を迎え、広がった枝から薄紫色の花房がカーテンのように垂れ下がっている。花房は長いもので1メートルほどになるが、昨年に比べると全体的に丈は短め。
 ほかに濃い紫色の花が鮮やかな「八重黒龍」、白やピンク色の花をつける品種も。例年だと4種類同時に咲くが、今年は三尺藤と八重黒龍が数日遅れた。満開を迎えたのは昨年と同時期という。
 ゴールデンウイーク(GW)初日の26日は好天に恵まれて家族連れや写真愛好家が次々と訪れ、カメラを向けた。赤ちゃんを花の近くに抱き上げて撮影する光景も見られた。
 毎年訪れているという観音寺市栄町の後藤美保子さん(54)は「垂れた花が風に吹かれてなびく感じがほかの花と違っていい。眺めているだけで涼しくなる」と満足そうに話した。
 フジの花は見頃が短く、楽しめるのはあと数日という。駐車場は山門の前に約20台分ある。

(四国新聞・2025/04/29掲載)



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