新屋島水族館(香川県高松市屋島東町)のリニューアル工事に伴い、同市瀬戸内町の市中央卸売市場の旧青果棟に3日、「市場水族館」がオープンした。屋島山上の施設からカワウソやペンギンなど、約100種の生き物たちが“引っ越し”。仮ずまいの水槽で早速、愛嬌(あいきょう)を振りまき、大勢の家族連れの人気を集めていた。


市場水族館で群れをつくって泳ぐペンギン=香川県高松市瀬戸内町

市場水族館で群れをつくって泳ぐペンギン=香川県高松市瀬戸内町


 新屋島水族館は4月7日から工事のため休館。新たに直径16メートルの円形巨大水槽を設置するなど施設を刷新し、2027年春のリニューアルオープンを目指している。工事中も生き物の飼育が必要なため、市の未利用施設を活用して、約2年間の期間限定公開が実現した。
 市場水族館では新設も含めて大小20~30個の水槽を移設し、人気のコツメカワウソ5匹やフンボルトペンギン10羽のほか、ケヅメリクガメ、アカウミガメ、魚類など約100種1千個体を公開している。子どもたちは、飼育員から餌のアジをもらって食べるコツメカワウソや群れをつくって泳ぐフンボルトペンギンを興味深そうに観察したり、ひょうたん形の水槽で泳ぐ金魚の餌やりを体験したりするなどして、生き物たちと触れ合った。
 休館前の最終日にも新屋島水族館を訪れた牟礼小3年の星瑛斗(あきと)さん(8)は「ペンギンが大好きで、また会えてうれしい。少し緊張しているみたいだったが元気そうだった」と笑顔。「しばらくすると緊張もなくなると水族館の人が教えてくれたので、また会いに来たい」と話した。
 大型連休を利用して、高松市に帰省中の大阪府豊中市の太田菜摘美さん(35)は「娘たちを屋島に連れて行こうとしたら、引っ越したと聞いてこちらに来た」と話し、長女の奈緒さん(6)は「カワウソが餌を食べ、元気よく歩いているところを近くで見られてかわいかった」と喜んでいた。
 初日は午前10時のオープン前に50人ほどが列をつくり、カウントダウンをしてオープンを祝った。
 営業時間は午前10時から午後4時までで、火曜日休館(祝日の場合は翌日が休館)。入場料は中学生以上が500円、3歳から小学生までが300円、0歳から2歳までは無料。入場料は餌代などに充てる。

(四国新聞・2025/05/04掲載)


市場水族館(新屋島水族館)



関連情報