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小豆島・中山農村歌舞伎舞台 笑いあり、涙ありの現代劇 6年ぶり、あすから 東京の劇団と住民が共演
300年以上の歴史がある小豆島町中山の中山農村歌舞伎舞台(国指定重要有形民俗文化財)で、物語の舞台を小豆島に設定した現代劇が30日から3日間の予定で上演される。企画した演出家で俳優の佐藤良洋さん(46)=東京都=は「農村歌舞伎が根付く地域を、現代劇でも盛り上げていきたい」と意欲を示し、出演する東京の劇団員と地元住民は、本番に向けてせりふのタイミングや立ち位置などを入念にチェックしながら、稽古を重ねている。
佐藤さんは演劇集団「芸門(ゲート)」を主宰。2018年10月に肥土山農村歌舞伎舞台(土庄町肥土山)を皮切りに計3回、小豆島で公演しており、現代劇を通じて東京と小豆島との交流人口増などを目指している。公演はコロナ禍をはさんで、19年以来6年ぶり。オーディションで地元や地元出身の小学生、“俳優の卵”ら11人を選考した。
今回の演目は「大女優と七人の三文役者」。小豆島出身の女性が東京で成功を収め、初めて凱旋(がいせん)公演を行うまでに起こるさまざまな出来事を笑いあり、涙ありの2時間のストーリーに仕上げている。作品は2022年7月に東京・新宿で上演。来場客からの評価が高かった自信作という。
本番を控え稽古にも気合が入り、出演者たちは場面ごとのせりふや動きを何度も確認。佐藤さんが立ち位置を指摘したり、言いにくいせりふを変更したりして、物語の流れが自然になるように調整している。
「地元の人たちの適応力が素晴らしい。島の空気感も盛り込んだストーリーを、伝統の歌舞伎舞台で味わって」と佐藤さん。大女優の妹役に挑戦する土庄町肥土山出身の佐伯真奈さん(19)=東京都=は「精いっぱいの舞台で島を盛り上げたい」と意気込む。
公演は30日から6月1日までの3日間で、30日は午後6時~、31日は午後2時半~と同6時~の2回、最終日の6月1日は午後2時半~。入場料は大人3500円(前売り3千円)、高校生以下1500円(前売り同額)、未就学児は無料。問い合わせは芸門〈gate.ticket.info@gmail.com〉、当日は小豆島観光協会〈080-8632-8060〉。
(四国新聞・2025/05/29掲載)