香川県小豆郡小豆島町中山の殿川上流にある「中山ホタルの里」周辺で、ホタルが飛び交っている。川沿いの草の間に黄緑色の淡い光がふわりふわりと柔らかな光跡を描き、山里の水辺は幻想的な雰囲気に包まれている。


水辺の草の間で、黄緑色の光跡を描くように舞うホタル=28日夜、小豆島町中山(比較明合成)

水辺の草の間で、黄緑色の光跡を描くように舞うホタル=28日夜、小豆島町中山(比較明合成)


 中山ホタルの里は、殿川ダム上流約1キロの場所に地元の住民グループ「一粒の種」が整備した。1992年から川底の手入れや草木の剪定(せんてい)、ホタルの幼虫の放流などを続けており、現在ではホタル観賞の名所として定着している。
 代表の亘和彦さん(78)によると、今年は例年より1週間余り早い今月5日に1匹目を確認。周辺の日中の気温が高く推移し始めた25日ごろから、飛び交う数が増えたという。ゲンジボタルとヒメボタルが6月中旬まで観賞できる見込み。
 28日は午後7時35分ごろから水辺に近い草の中でホタルが光り始め、同8時過ぎには、50匹余りが息を合わせたように黄緑色の光を明滅させ、初夏の風に美しい光の帯を漂わせていた。
 今後、日中が快晴で気温が上がり、風の穏やかな夜に数が増えていくという。亘さんは「ホタルは明るさや大きな音が苦手。マナーを守って静かに観賞してほしい」と呼びかけている。

(四国新聞・2025/05/31掲載)



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