クラシックの枠を超えて演奏、作曲を行うピアニスト宮崎朋菜(高松市出身)が15日、同市でロシアの民族音楽グループ「ナムガル」と共演する。シベリアの大自然をイメージさせる音色とクラシックピアノを融合させる試みで「世界の癒やしの音楽に浸ってほしい」と話す。


宮崎朋菜 ©Kentaro Igari

宮崎朋菜 ©Kentaro Igari


 ナムガルはロシア・シベリアを拠点にしたグループ。蛇の皮を張った弦楽器「チャンザ」や馬の声のような音が鳴る「口琴」のほか、ボーカル、ギターなどで構成する。バイカル湖周辺の遊牧民・ブリャート民族に古くから伝わる音楽を再現し、北欧をはじめ世界各地で公演を開いている。


ナムガル

ナムガル


 宮崎は約20年にわたってロシアを拠点に活動。ナムガルとはウズベキスタンの音楽祭で出会って以来共演を重ねており、2014年にも高松市での公演に招へいした。ナムガルの魅力について「馬が走るリズムや川のせせらぎを想像させる演奏。私たちが忘れがちな自然とのつながりを思い出させ、癒やしを与えてくれる」と語る。
 「シベリアの大自然 神秘の調べ」と題した今公演では、「ブリャート民族の民謡」をはじめ、宮崎が作曲した「ピアノ独奏曲集『四国八十八カ所お遍路巡礼の旅集』から善通寺」や、北極・南極を訪れた経験を基にした曲も取り上げる。
 宮崎は高松一高、東京芸大を経てチャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院大学院を修了、ロシアの正統なピアニズムを学んだ。数年前に帰国し、音楽を通じて故郷と海外をつなごうと取り組んでいる。これまでの経験を生かしたアンサンブルによって、独創的な音楽空間となる。
 香川県高松市中野町の珈笛画廊ほのほで午後2時開演。入場料は3千円(1ドリンク付き)。問い合わせは珈笛画廊ほのほ、電話087-833-2308。

(四国新聞・2025/06/06掲載)



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