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アジサイ涼しげ 雲辺寺 「葉化病」で5000株減少
香川県観音寺市大野原町と徳島県との県境にある四国霊場66番札所・雲辺寺(徳島県三好市)でアジサイが見頃を迎え、参拝者が花を写真に収めながら散策を楽しんでいる。山上で真夏に咲くアジサイは、同寺とその周辺に約3万株あるとされてきたが、花が濃い緑に変色して枯れる「アジサイ葉化病」がまん延し、株の数が減ってきている。
同寺は標高911メートルに位置し、気温は昼間でも23度前後。例年だと雲辺寺ロープウェイ山頂駅付近から開花が進み、五百羅漢像周辺は遅れがちだが、今年はほぼ同時に見頃となった。
6日にはモデルを交えての写真撮影が行われ、五百羅漢像周辺でさまざまな表情でたたずむ石仏とアジサイのコラボを参加者がカメラに収めた。徳島県美馬市から訪れた女性3人のグループは「アジサイの青さが印象的」「涼しくて寒いくらい」と語り合っていた。
アジサイ葉化病は、植物の細胞内に寄生する細菌の「ファイトプラズマ」が原因の病害。花びらなどが葉のように変色して厚くなり、数年のうちに株が衰弱して枯れてしまう。同寺では近年、被害が深刻化しており、毘沙門天展望館付近などで斜面を覆う株に隙間が目につくようになった。同寺は今年、公称の株数を約2万5千株に変更した。
一方、アジサイの時季に納経所で頒布している「あじさいの御朱印」は4種類を用意した。同寺の象徴の「うんぺんじブルー」をはじめ、淡いピンク、紫、深緑があり、1枚700円。各250枚計千枚限定で、無くなり次第終了。
同寺のアジサイは例年だと8月になっても一部で花が残っているが、今年は記録的に早い梅雨明けの影響で、見頃は今月末までとみられている。
(四国新聞・2025/07/10掲載)