ベテラン記者のグルメ備忘録　この味を忘れない＝洋食屋イタミ（香川県高松市錦町）　郷愁誘う「大人様ランチ」

　店頭のショーケースにずらり並んだオムライス、ポークチャップ、チキンカツ。全部好き。そこまでリアルじゃないサンプルなのに、食欲をそそられる。

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　レトロな看板に店構え、使い込まれた机やいす、日めくりカレンダー、コーラやジュース、ビールはもちろん瓶。完璧。ザ・昭和、これぞまちの洋食屋さんだ。マスターの伊丹実さん（78）の兄が昭和40年ごろに創業し、約10年後に伊丹さんが継いだ老舗のお店。
　エビフライにチキンソテー、オムレツ、ロースハムと、洋食の定番をドッキングした「Aランチ」（ライス付き、1200円）で勝負。特筆は薄さ0・8ミリの鉄のフライパンで作るオムレツ。きめの細かい卵になるという。ふわふわ、とろとろ、熱々。エビフライもチキンソテーも、ポテサラも全部うまい。そして優しい味。それでいて「食った」って感じになる。

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　仕事帰りにビールと一緒に味わうサラリーマン、「月一のぜいたく」で楽しみにしているという学生さん。分かるなあ。「大人のお子様ランチ」って感じがまたいいんだよ。幼い頃に行ったデパートのレストランを思い出す。日の丸は…さすがに立ってないけど、心は青空、日本晴れだ。ごちそうさま、また来ます。

（四国新聞・2025/07/11掲載）

洋食屋イタミ

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