ポーランドのカトビツェ美術大で准教授を務めるアルトゥル・マステルナクさん(33)の個展が11日、高松市松島町のホワイトキューブ高松つくもギャラリーで始まった。銅版の表面に無数の傷を付けることで繊細な絵柄を描く「メゾチント」と呼ばれる技法で制作した版画が並び、静寂で落ち着いた空間をつくり上げている。22日まで。


マステルナクさん(左)の説明を受けながら作品を鑑賞する浜野さん(左から2番目)と来場者=高松市松島町

マステルナクさん(左)の説明を受けながら作品を鑑賞する浜野さん(左から2番目)と来場者=高松市松島町


 昨年、同市の現代美術家浜野年宏さん(81)が同大から名誉教授の学位を授与され、浜野さんの研究所と同大が結んだ学術協定に基づく交流の一環。マステルナクさんは1日から宇多津町の香川短大を拠点に作品制作に取り組み、地元の子どもたちや同短大の学生向けにワークショップを開くなど交流を深めてきた。

 個展では、今回制作した版画を含む約30点を展示。円や長方形をモチーフにした版画は、繊細な線が生み出した色の階調が印象的。高知県産の和紙を使っており、和紙の柄や凹凸を生かして石のような質感を生み出している。

 初めて日本を訪れたというマステルナクさんは「日本は思っていた以上に美しい国だった。日本から受けたインスピレーションを表現した」と話している。

(四国新聞・2019/09/12掲載)

ホワイトキューブ高松つくもギャラリー


所在地 高松市松島町1-13-14 九十九ビル1F
TEL 087-835-0532


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