瀬戸内国際芸術祭2025参加の特別展「小沢剛の讃岐七不思議」(四国新聞社共催)が8月9日から香川県高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで開かれる。小沢は、ユーモアを交えながら社会や歴史を批評する作風で知られる現代美術家。ミュージアムの膨大な収蔵品に触発されて制作した作品と実物資料を併せて展示、讃岐の歴史文化との新たな出合いを新作で表現する。小沢の大規模個展は四国初開催。


小沢剛による展示構想ドローイング

小沢剛による展示構想ドローイング


 小沢は東京出身で、東京芸大教授。貸画廊という日本独自のシステムへの疑問から、牛乳箱を用いた世界最小の移動式ギャラリー「なすび画廊」シリーズを手がけるなど独自の視点で活動を展開、国内外で活躍している。県内では、讃岐醤油画資料館(坂出市)とヴァレーギャラリー(直島町)に作品が常時展示されている。
 今展では「七不思議」をテーマに、同ミュージアムの収蔵品約50点から着想を得て制作した絵画や焼き物、写真、映像など7点を通じて、讃岐で「見るべき、あるいは知っておくべきモノ・コト」に着目する。


香川県指定有形文化財 衆鱗図

香川県指定有形文化財 衆鱗図


 収蔵品のうち、江戸時代に作られた県指定有形文化財の魚類図譜「衆鱗図(しゅうりんず)」は魚をはじめとする水生生物が描かれ、画帖(がじょう)4帖で構成されている。小沢は、高松市内の保育園で園児に図譜を模写してもらうワークショップを開催、完成した園児の絵を自身が再び模写した絵画を出品する。
 このほか、江戸時代後期、敵を縄で捕らえる手法を伝授するために用いられた初公開品「直指公御流儀秘事縄雛形(じきしこうごりゅうぎひじなわひながた)」、玉楮象谷による「一角印籠(いっかくいんろう)」といった多彩な収蔵品を基に創造された小沢作品が並ぶ。
 香川、岡山、兵庫の8美術館による「瀬戸芸美術館連携プロジェクト」として開催。会期は10月13日まで。入場料は一般1200円(同芸術祭のパスポート提示で千円)ほか。

関連イベント

■ オープニングトーク「小沢剛の讃岐七不思議を語る」 8月9日午後1時30分から/地下1階講堂/定員230人(要申し込み)/無料/登壇者 小沢剛、三木あき子(ゲストキュレーター)ほか
■ 秋分スペシャルトーク「讃岐の七不思議を求めて」 9月20日午後1時30分から/地下1階講堂/定員230人(要申し込み)/無料/登壇者 小沢剛、三木あき子、田井静明(瀬戸内海歴史民俗資料館専門職員)
■ クロージングトーク「出会い・協働から見えるもの」 10月12日午後1時30分から/地下1階講堂/定員230人(要申し込み)/無料/登壇者 小沢剛、三木あき子ほか
■ プレミアムナイトツアー「小沢剛とめぐる讃岐七不思議」 8月22日、9月19日の午後6時から/特別展会場など/定員各回20人(じゃらんnetから要申し込み)/5千円
※無料シャトルバス“七不思議行き” 高松港と県立ミュージアム間を運行するバス/運行日:8月9、10、11、16、23、30日、10月4、11、12、13日/出発時刻:高松港発 午後4時から30分間隔で7便、県立ミュージアム発 午後4時15分から30分間隔で7便

(四国新聞・2025/07/31掲載)


特別展 「小沢剛の讃岐七不思議」



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