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人気者、独特のタッチで しろとり動物園にアート看板を設置 自閉症の双子制作
動物園の新たなシンボルに―。自閉症の17歳の双子アーティストが描いた看板が完成し、8日、香川県東かがわ市松原のしろとり動物園で除幕式があった。人気者のホワイトタイガーやゾウなどを2人が独特のタッチで表現。エントランス部分に設置されたカラフルな看板の前で早速、来園者が記念撮影などを楽しんでいる。
描いたのは香川中部支援学校(高松市田村町)高等部3年のTaichi(本名・平田泰一)さんとShota(同・祥大)さん。高松市在住の2人は、知的障害を伴う自閉スペクトラム症と診断された一卵性の双子で、動物や虫、恐竜などの生き物を好んで描き、5月には同市で初の個展も開いた。
2人が幼少期から同園に何度も足を運んでいたことなどが縁で看板を制作することが決まった。保護者によると、看板の大きさは縦約1・8メートル、横約6メートルで、中央から右をTaichiさん、左をShotaさんが担当し、わずか10日間ほどで完成させたという。同園の屋内施設「アニトピア」の外壁部分に設置した。
除幕式には2人と保護者のほか、上村一郎東かがわ市長や同園関係者らが出席した。上村市長は「東かがわ市に大きな魅力が加わった。個性が光る作品のお目見えをきっかけに、さらにたくさんの人がしろとり動物園を訪れてくれたら」とあいさつ。出席者がテープカットを行って新たな観賞スポットの誕生を祝った。
除幕式後、真新しい看板を見つけた来園者が続々と訪れ、2人が異なるタッチで半分ずつ描いた看板をじっくり眺めたり、写真に収めたりしていた。同園の松村一史副園長は「アートと動物園は親和性が高いと思っていたので感慨深い。動物好きな2人を応援できてうれしい」と話した。
Taichiさんは「みんなに見てもらえてとてもうれしい」、Shotaさんは「2人で協力して行った看板制作はとっても楽しかった」と笑顔。「絵が好きなので将来も2人でいろんなものを描いていきたい」と声をそろえた。
(四国新聞・2025/08/10掲載)