江戸期の「旅」に焦点を当てた企画展「丸亀の旅~江戸時代の海と陸をめぐる~」が、香川県丸亀市一番丁の市立資料館で開かれている。展示された浮世絵などには、金毘羅(こんぴら)参詣の上陸地となった丸亀港のにぎわいや四国遍路の旅人などが描かれ、活気あふれる往時の姿をうかがい知ることができる。31日まで。


江戸期の「旅」をテーマにした浮世絵や古文書などを紹介した企画展=香川県丸亀市一番丁、市立資料館

江戸期の「旅」をテーマにした浮世絵や古文書などを紹介した企画展=香川県丸亀市一番丁、市立資料館


 丸亀市制施行20周年記念行事の一環。同資料館の所蔵品を中心に浮世絵や版画、古文書のほか、京極家の参勤交代に関わる史料や実際に旅で使われていた道具など119点を紹介している。
 江戸期の旅が一目で分かるのは多色刷りの浮世絵。歌川広重の「日本湊尽(みなとづくし)讃州丸亀」は、港に数多くの船が停泊し、荷物を持った旅人が行き交う様子を描写。同じく広重作の「六十余州名所図会 讃岐 象頭山遠望」には、金刀比羅宮のある象頭山を目指して旅をする男女が生き生きと描かれている。
 このほか、讃岐の名所をまとめた「金毘羅参詣名所図会」は、参拝道をはじめ、塩飽諸島や飯野山などを挿絵入りで紹介。京極家の参勤交代の様子を描いた絵馬や大名の旅日記なども来館者の興味を引いている。
 同館は「江戸時代は参勤交代や寺社参詣、巡礼で人の移動が盛んになり、庶民の間でも旅文化が隆盛した。江戸時代の郷土の旅を感じてもらえたら」としている。
 開館時間は午前9時半から午後4時半まで。月曜休館。23日午後1時半から学芸員による展示解説がある。問い合わせは同資料館〈0877-22-5366〉。

(四国新聞・2025/08/14掲載)


丸亀市立資料館



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