ベテラン記者のグルメ備忘録　この味を忘れない＝しんすい園（香川県坂出市元町）お茶屋さんの中華そば

　久しぶりに訪れた坂出市中心部の商店街。あれ？　景色に違和感。ああ、アーケードがないんだ。古くなっていたし、これも時代の流れか。ちょっぴり感傷に浸りつつ、元町の目的の店へ。

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　あった、あった、ソフトクリームのオブジェ。しんすい園は明治20年創業のお茶屋さん。厳選した日本茶はもちろん、戦後しばらくして始めた飲食メニューが人気だ。
　注文したのは中華そばと焼き飯をセットにした「中華ランチ」（780円）。まずは中華そばから。かつおベースのスープは昆布茶入り。あっさり、でも、うまみがギュッ。トッピングのキャベツもシャキシャキだ。半世紀以上愛されてきた味はだてじゃない。焼き飯も、うまし。こちらも昆布茶が隠し味。もしかして、昆布茶って最強の調味料なんじゃないの。
　満腹、満腹。でも、甘い物は別腹だ。心のままに名物のグリーンソフト（300円）をオーダー。実は同店、抹茶ソフト発祥の地の一つだそう。濃すぎず、甘すぎず。抹茶の香りもしっかり。うん、上品な味。
　店内を見渡すと、平日だけど子ども連れが多い。そうか、夏休みか。中華そばやソフトクリームをおいしそうに頰張る子どもたち。なんか、いいなぁ。「思い出の味」って、こうやって受け継がれていくんだな。

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（四国新聞・2025/08/22掲載）

しんすい園

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