四国村ミウゼアム(香川県高松市屋島中町)内の四国村ギャラリーで、洋画家・猪熊弦一郎の作品を紹介する展覧会が開かれている。瀬戸内国際芸術祭の春、夏、秋会期に合わせ、それぞれ猪熊作品を展示。夏会期は「People=人」をテーマに開催、猪熊が生涯描き続けた「人」の描写の変化が見て取れる。9月12日まで。


「人」をテーマに猪熊弦一郎の作品を紹介する展覧会=香川県高松市屋島中町、四国村ギャラリー

「人」をテーマに猪熊弦一郎の作品を紹介する展覧会=香川県高松市屋島中町、四国村ギャラリー


 展覧会名は「猪熊弦一郎 Form、People、Living 身の回りにある、秘密と美しさ」。キュレーションは、国際的なデザイン賞「Red Dot Design Award」などを受賞したクリエーティブユニット「SPREAD」が手がけている。
 今回、絵画は17点展示。「座せる群像」「子供と発見」「ユーラシヤの愛人達」といった表現や色使いの異なる作品が並んでいる。晩年取り組んでいた「顔」シリーズの一つ「顔47」も。同シリーズは、妻・文子に先立たれた喪失感から生まれたという。顔47は文子のさまざまな表情を表しているようにも見える。このほか、スケッチや猪熊が集めていた置物などもあり、創作の源泉に触れられる。
 また、ギャラリーの入り口にはSPREADが制作したインスタレーションを展示。鏡のように姿を写す銀色のテープが張り巡らされ、テープの揺らぎや立ち位置によって見え方が変わる。多彩な表現で「人」を描いた猪熊の作品へのアプローチを「鑑賞」から「体験」に昇華させている。
 入場には四国村ミウゼアムの入村料(一般1600円ほか、瀬戸芸会期中は作品鑑賞パスポートを掲示すれば同千円)が必要。問い合わせは四国村ミウゼアム、電話087-843-3111。

(四国新聞・2025/08/24掲載)


四国村



関連情報