徳島県境にある香川県高松市塩江町の上西地区に7月、飲食店が2店舗同時にオープンした。ドイツから移住した小笠原緑さん(39)、フェリックスさん(39)夫妻が営むカフェ「neko to negi(ねことねぎ)」と、琴平町から移住した行安亮さん(29)が旧上西小学校に開いたドリンクスタンド「スタンド イキマイ」。塩江産の野菜やお茶など地元の食材を使い「奥塩江」と呼ばれる同地区の盛り上げに一役買おうと意欲を見せている。


2人で改修したログハウスで営む「neko to negi」の小笠原さん夫妻=香川県高松市塩江町

2人で改修したログハウスで営む「neko to negi」の小笠原さん夫妻=香川県高松市塩江町


 小笠原緑さん=同市出身=は父や祖父母が塩江町生まれ。ドイツで調理の仕事をしている時にフェリックスさんと出会い、2022年に一緒に帰国した。昨年夏、先輩移住者から内場ダムのほとりにたたずむログハウスを紹介してもらい、1年をかけて夫婦でカフェに改修。自家菜園で育てた野菜や塩江町産の農産物を中心に、手作りのランチやスイーツを提供している。店名は、緑さんが子どもの頃に父方、母方の祖母をそれぞれ「ネコのおばあちゃん」「ネギのおばあちゃん」と呼び分けていたのが由来だという。


「スタンド イキマイ」をオープンさせた行安さん=香川県高松市塩江町

「スタンド イキマイ」をオープンさせた行安さん=香川県高松市塩江町


 一方の行安さんは、琴平町でカフェを営んでいたが、昨年夏に閉店。上西地区は妻の古里で、移ろいゆく自然の美しさやゆったりとした時間の流れに引かれて移住。妻の母校でもある旧上西小に店を開いた。
 店では塩江産の煎茶やほうじ茶を牛乳で抽出したドリンクや季節の果物で作ったシロップを使ったドリンクのほか、塩江産の野菜を使ったおやきを提供している。
 2組は、行安さんが移住した1年ほど前から家族ぐるみの付き合いといい、一緒に上西地区を盛り上げようと、7月24日に同時オープン。店舗間も約1・5キロと車で数分の距離にある。
 小笠原さん夫妻は「塩江の豊かな自然の中でゆっくりと一息ついて、また頑張ろうと思ってもらえれば」。行安さんは「山との距離が近く、山の景色の移ろいがダイレクトに感じられるのが上西地区の魅力。ドリンクやおやきを買って、上西の山や川へ遊びに行って」と話している。

(四国新聞・2025/08/24掲載)

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スタンド イキマイ



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