高松、直島、琴平などの主要観光地に加え、小豆島や郊外の大型商業施設にも大勢の外国人観光客が訪れていることが、国の地域経済分析システム「RESAS(リーサス)」の解析で明らかになった。1万人以上が滞在したとみられるスポットは2年前の13カ所から20カ所に拡大。インバウンド(訪日外国人客)の増加に伴い、外国人の関心や行動範囲が広がり、県内各地で新たな人気スポットが生まれているようだ。



 リーサスは内閣府が提供するビッグデータ。外国人観光客の訪問先は、携帯電話の利用データを基に割り出し、1キロ四方ごとに1時間以上の滞在者の集積度を示している。

 2017年8月~18年7月のデータによると、集積度が最も高い「1万人以上」が訪れた県内のスポットは20カ所。高松市中心部では、公共交通の結節点でもあるサンポート高松や市中央商店街、栗林公園などのほか、ゆめタウン高松を含むエリアが該当した。

 島しょ部では、現代アートの聖地として定着した直島や、小豆島・土庄町のエンジェルロード周辺など。中讃エリアでは、金刀比羅宮(琴平町)やレオマリゾート(丸亀市)、イオンモール綾川(綾川町)周辺に観光客が多かった。

 2年前(15年8月~16年7月)のデータをみると、「1万人以上」のスポットは13カ所。2年間で「1万人以上」は7カ所増えており、小豆島はゼロから3カ所に増加した。ゆめタウン高松とイオンモール綾川の人気もこの2年で上昇したことが見て取れる。温泉宿が多い高松市塩江町を訪れる外国人も増えている。

 このほか、丸亀市の丸亀城や高松市のイオンモール高松の周辺も外国人の来訪者が多かった。

ズーム
 RESAS(リーサス) 地域経済に関するさまざまな官民のビッグデータを収集し、地図やグラフで可視化したシステム。内閣府地方創生推進室が2015年から運用を開始。人口動態や産業構造、人の流れなどを無料で閲覧できる。自治体などが地域の実情を正確に把握し、効果的な施策の立案、実行、検証に役立ててもらうのが狙い。

(四国新聞・2019/09/17掲載)


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