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仁尾八朔人形まつり復活 実行委解散で新団体立ち上げ きょう2年ぶり 規模縮小、新趣向加え
香川県三豊市仁尾町で古い街並みにひな人形や物語のジオラマなどを飾る「仁尾八朔(はっさく)人形まつり」が15日、規模を縮小して2年ぶりに開催される。これまで運営に当たってきた実行委員会はメンバーの高齢化などを理由に解散したが、伝統行事を絶やすまいと有志団体が立ち上がり、新趣向を加えたイベントとして企画した。会場は賀茂神社で、午後3時にスタートする。
仁尾八朔人形まつりは、「八朔の日」(旧暦8月1日)に子どもの健やかな成長を祝う八朔人形飾りの風習に由来。仁尾地区で400年以上の歴史がありながら途絶えていたが、1998年に当時の仁尾町商工会がイベントとして再興した。以来、四半世紀にわたって仁尾の秋の風物詩として親しまれ、2003年度には全国の新聞社などが主催するふるさとイベント大賞で最高賞の総務大臣表彰に輝いた。
新型コロナウイルス禍による3年間の休止を経て再開した23年、実行委会長として陣頭指揮を執ってきた西山弘茂さんが急逝。実行委はメンバーの高齢化や担い手不足で後継の態勢が整わず、24年の開催を見送った。その後、熟慮の結果、イベントの存続は困難として解散を決定し、財産などの整理を検討していた。
こうした事情を踏まえ、歴史ある地域行事を継承しようと、若手や移住者も加わった有志9人が任意団体「仁尾八朔人形まつり守りびと」(城中利文会長)を設立。人形や人形飾りをはじめ、実行委が保管していた資材などを譲り受けた。
今年の開催については準備期間が短いため、小規模で企画。従来のように人形などを20カ所以上の商店や民家の軒先に飾り付けることはせず、賀茂神社の長床に展示する。3日間としてきた会期は1日とした。
一方、新たな趣向として仁尾竜翔太鼓の演奏や地元の獅子舞の披露、盆踊りなどのプログラムを組んだ。地元の飲食店がブースを並べ、縁日気分を楽しめる。
開催時間は午後9時までで、浴衣での来場者には特典がある。臨時駐車場を近隣の事業所などの用地に設ける。
(四国新聞・2025/09/15掲載)