白と黒 あふれる生命力 坂出で原博史展 28日まで
まんのう町在住の美術家原博史(69)の個展「混沌(こんとん)とノイズ」が、香川県坂出市駒止町のかまどホールで開かれている。自身の精神世界を表したような白と黒の抽象画約20点が並び、来場者にさまざまなメッセージを投げかけている。28日まで。
原は高松市出身で、県内の高校や大学で教壇に立つ傍ら国内外で作品を発表。2013年以降は綾川町やまんのう町で「かがわ・山なみ芸術祭」などのイベントも企画している。10年前から、墨の原料・油煙から出る煤(すす)の模様を直接和紙に写し取って表現する技法に取り組んでいる。
今回は24、25年に制作した200号の大作から小品までを展示。このうち「抗(あらが)う魂」は「死の運命に抗い、生きようとする力を表現した」といい、偶然にできる煤の模様と余白がせめぎ合い、静かなエネルギーを感じることができる。モノクロの作品が多い一方、7色のアクリル絵の具を使った抽象画もあり、爽やかな印象とともに多様性のメッセージが伝わる。
原は「創造は混沌の中から生まれる。作品から何らかの生命エネルギーを感じてほしい」と話している。
入場料は一般300円ほか。問い合わせはかまどホール、電話0877-46-2178。
(四国新聞・2025/09/18掲載)

