「夜」をテーマにした作品展「夜をたのしむ」が、香川県高松市玉藻町の県立ミュージアムで開かれている。暗闇の中に息づく生命の気配や夜空を表現した作品など、来場者を魅了する収蔵品が並んでいる。19日まで。


香川とゆかりのある作家による夜をテーマにした作品を中心に紹介する常設展=香川県高松市玉藻町、県立ミュージアム

香川とゆかりのある作家による夜をテーマにした作品を中心に紹介する常設展=香川県高松市玉藻町、県立ミュージアム


 会場は、香川とゆかりのある17作家による絵画や彫刻、工芸計22点を展示。入り口に設置されたひも状のカーテンをくぐると、目に入ってくるのが善通寺市出身の漆芸家大西忠夫のびょうぶ「待宵(まつよい)」。金箔や銀箔などを用いながら彫漆の技法で、月を背に木に止まったミミズクを表している。じっと何かを待っているかのような表情が強い印象を残す。
 高松市出身の洋画家猪熊弦一郎の「月と猫達」には顔やたたずまいの異なる猫と月が描かれている。夜に集まった猫たちは何を企てているのだろう―。鑑賞者の想像力をかき立てる。
 闇の中にくっきりと浮かび上がるような風景を表現した同市出身の漆芸家後藤健吉の漆作品や、観音寺市出身の彫刻家矢野誠一による「短夜」と名付けられた女性のブロンズ像などもあり、夜が持つ多彩な表情を伝えている。
 会場には感想を書いて貼る「アウトプットコーナー」もあり、担当学芸員は「自分の『夜』に思いをはせながら鑑賞してほしい。感じたことを自由につづってもらえたら」と話している。
 入場料は一般500円ほか。問い合わせは県立ミュージアム、電話087-822-0002。

(四国新聞・2025/10/02掲載)


香川県立ミュージアム



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