三豊市出身の映画監督三野龍一(31)と弟の三野和比古(25)が手掛けた映画「老人ファーム」が、ホールソレイユ(高松市亀井町)で20日から公開される。老人ホームで介護士として働く青年の心の葛藤を描いており、ロケは高松市内で行われた。兄弟は「不条理な社会で自分の正義を貫く主人公を描いた。幅広い世代に見てほしい」と話している。上映は26日までの予定。


映画「老人ファーム」の一場面


 龍一は京都造形芸術大を卒業後に映画やドラマの現場で修行し、和比古は早稲田大を卒業後、脚本や映画製作に従事している。


映画「老人ファーム」をPRする三野龍一(写真左)と和比古=高松市中野町、四国新聞社


 本作は初の長編映画で、「カナザワ映画祭2018」で観客賞を受賞。「さぬき映画祭2019」に招待出品、4月から東京を皮切りに全国で順次公開されている。

 「老人―」は故郷の老人ホームで働き始めた主人公和彦が、入居者のアイコとの出会いをきっかけに高齢者に尽くすことで生きがいを見いだそうとする―といった物語。龍一の粗筋に和比古が緻密な心理描写などを盛り込んだといい「兄弟での製作は日本では珍しいが、イメージを共有しやすいメリットがある」とする。

 ロケは兄弟が四国遍路で立ち寄った際「静かな雰囲気に魅了された」という高松市塩江町で16年秋に実施。地元の人から元高齢者施設を借り受けて6日間で撮影した。兄弟は「香川は山や島などロケーションが豊富で、今後も作品を通して世界にアピールしたい」と話している。

 出演は若手俳優の半田周平ほか。21、22日は兄弟の舞台あいさつがある。上映時間は82分。観覧料は一般1800円ほか。

(四国新聞・2019/09/19掲載)

ホール・ソレイユ


所在地 香川県高松市亀井町10-10ソレイユ第1ビル
TEL 087-861-3366


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