大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催され13日に閉幕となった大阪・関西万博に出展されていた俳優・アーティストの青木崇高さんが制作した巨大アートが19日、香川県小豆郡土庄町の土庄港ターミナルにお目見えした。万博会場の大屋根リングや各パビリオンの建築時に余った木材を集め、国連の掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」や平和への願いを込めた作品を前に、青木さんは「小豆島はオリーブに象徴される平和の島。この作品が落ち着くべき場所だと感じる」と満足そうな表情を浮かべた。


大阪・関西万博会場から移設した自身のアート作品について来場者に説明する青木さん=香川県小豆郡土庄町、土庄港ターミナル

大阪・関西万博会場から移設した自身のアート作品について来場者に説明する青木さん=香川県小豆郡土庄町、土庄港ターミナル


 作品の移設展示は、同町でオリーブを使った化粧品などを製造する小豆島ヘルシーランドが、公募型のアート作品利活用事業に応募し、最優秀事業者に選定されたことがきっかけ。同町の町制施行70周年を祝い、開催中の瀬戸内国際芸術祭の秋会期の盛り上げにも一役買ってもらおうと、町の玄関口である同港のターミナルに設置した。
 作品は「平(へい)」flat、even、peaceと、「和」harmony、Japan、peaceの2点で構成し、大きさはそれぞれ直径2・2メートル、厚さ12センチ、重さ約120キロの円形。建築時に余った木片をできるだけ形を変えないように組み合わせ、「平和」の2文字が浮かび上がって見えるように仕上げた。木の柔らかさ、香り、色合いが引き立つように配慮している。
 この日、同ターミナルであった除幕式には青木さんや岡野能之町長、地元住民ら約40人が出席。青木さんは、日本国際博覧会協会の担当者から昨秋にアート作品制作の依頼を受けた時を振り返り、「世界各国が一堂に集まる好機。平和への思いを一番に伝えたいとシンプルにまとめた」と説明した。構想から約5カ月で完成させた作品については、「大きな作品なので文字の配置などに苦労したが、それも味になっている」とほほ笑んだ。
 町長は「町制施行70周年だけでなく、島の各神社が遷座1100年を迎えるなど節目のタイミング。小豆島らしい作品の登場は本当にありがたい」とあいさつした。
 作品は土庄港ターミナル2階に展示。開館は午前6時半から午後7時まで。無休。

(四国新聞・2025/10/22掲載)



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