日本工芸会四国支部(支部長・琴陵泰裕金刀比羅宮宮司)などが主催する公募展「第67回日本伝統工芸四国展」が22日、香川県高松市内町の高松三越新館5階催物会場で始まった。四国の作家らによる漆芸や陶芸、木竹工など7部門の秀作が並び、錬磨した技術と豊かな感性を伝えている。27日まで。


錬磨した技術と豊かな感性で制作された作品を鑑賞する来場者=香川県高松市内町、高松三越

錬磨した技術と豊かな感性で制作された作品を鑑賞する来場者=香川県高松市内町、高松三越


 同展は地域の工芸文化の発展を目的に1958年から毎年開催。同支部会員27人と一般28人から96点の応募があり、このうち入賞・入選作94点を展示している。県内からは51人の89点が入選した。
 最高賞の磯井如真賞には、坂出市の陶芸家川井佐織さん(40)の「泥彩鱗文鉢(でいさいりんもんばち)」が選ばれた。県内の山で採取した凝灰岩を用いて調合した化粧土を使い、下地に線を入れて質感に変化を持たせている。淡い水色と柔らかみのある形が美しさを際立たせている。
 奨励賞を受賞した同市の漆芸家金沢桜子さん(27)の「乾漆蒟醤(きんま)ボンボニエール『春宵(しゅんしょう)』」は、チョウが優雅に舞う様子を表現した菓子器。表面には空や草原があしらわれ、ふたの取っ手には金工でかたどったチョウが施されている。
 このほか、サワガニをモチーフにした漆芸の箱や、優美な雰囲気の七宝の花入れなどもあり、来場者を魅了している。
 ほかの入賞者は次の通り。(敬称略)
 漆芸=佐々木博、若槻万里奈、太田豊(以上高松市)、菅奈津子(愛媛県)▽陶芸=平岡朋美(高松市)、高橋康治(まんのう町)▽諸工芸=東條裕志(善通寺市)▽木竹工=掘金宏治(丸亀市)

(四国新聞・2025/10/23掲載)



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