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石彫で食べ物リアルに 高松 伊藤さん作品展
石彫作家・伊藤博敏さんの作品展が、香川県高松市牟礼町の市石の民俗資料館で開かれている。石と異素材の組み合わせや、食べ物をモチーフにしたものなど、巧みな技を駆使した作品が、アートとしての石の魅力を伝えている。11月9日まで。
伊藤さんは、長野県松本市在住。東京芸術大卒業後、石材店を営みながら石彫作家として活動。石や砂を自然の景観に見立てた枯山水のように、日本に息づく「見立て」の文化に着目し、制作を行ってきた。
四国で初となる今回の展覧会には、1990年から今年までに制作した25点を出品。目玉焼きやハム、パン、アイスクリームなど、石を食べ物に見立てた作品は、表面を滑らかに仕上げ、食べ物の質感をリアルに表現している。テディベアや、雪が積もった地面を踏みしめる長靴などを表したユニークな作品もあり、来場者の興味を誘っている。
伊藤さんは「作品は起承転結の『転』に当たる。前後のストーリーに想像を膨らませながら鑑賞してほしい」と話している。
芝生広場などでは、同市の庵治、牟礼両町の石彫作家による企画展「石の里の匠たち テーマ『何(な)に!』」を併催。11月2日午前10時からは伊藤さんによるアーティストトークが行われる。
(四国新聞・2025/10/30掲載)

