日本酒文化の継承や業界の活性化に貢献しようと、酒蔵、酒販店、飲食店の有志が一般社団法人「酒立日本酒大学」を設立した。日本酒に関する知識や文化的価値を体系的に学ぶ場を提供するほか、11月2日には香川県高松市で酒蔵と飲食店がコラボレーションした団体の初イベントを開催する。


「令和日本酒瀬戸内ダービー」をアピールするチラシ

「令和日本酒瀬戸内ダービー」をアピールするチラシ


 団体は2014年に有志3人で立ち上げた同名の団体が前身。前団体は飲食店や酒販店の関係者を対象にした日本酒の知識を深める講座を毎年開き、150人超の卒業生を送り出しており、講座やイベントなどを主体的に展開するため7月に法人化した。
 団体によると、日本酒造組合中央会が定める10月1日の「日本酒の日」を中心に全国各地で日本酒を楽しむイベントが開かれているという。現在、団体には酒蔵の代表や飲食店、酒販店の経営者ら12人が参画しており、県内6軒の酒蔵をはじめ、農家、酒販店、飲食店、消費者の5者から会員を募って連携を深め、日本酒文化への理解を広げる。
 初のイベントは「令和日本酒瀬戸内ダービー」と銘打ち、高松市サンポートの高松シンボルタワー・デックスガレリアで開催。香川県と岡山県の日本酒蔵各5軒がそれぞれ飲食店とタッグを組み、日本酒と飲食店の一品料理をセットで購入(1セット千円)して味わいを楽しむ。時間は午前11時~午後4時。
 13年に和食が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、24年には日本酒を含む「伝統的酒造り」も遺産登録された。一方、県内ではこれまで目立ったPRの動きはなく、同団体の佐藤省吾専務理事は「イベントを通じて県内の日本酒ファンを増やしたい。特に日本酒を正しく販売できる人材を育成し、業界を盛り上げたい」と話している。

(四国新聞・2025/11/01掲載)



関連情報