讃岐弁の魅力、かるたに詰め あげとが落ちる おとっちゃまなお父ちゃん デザイナー藤本さん(高松)制作
讃岐弁を後世に残すことをライフワークに活動するグラフィックデザイナー、藤本誠さん(87)=香川県高松市栗林町=が、「お笑い讃岐弁かるた」を制作した。代表的な讃岐弁をユーモラスな表現と印象的なイラストで紹介し、讃岐弁の奥深い魅力が詰まった仕上がりとなっている。
かるたの取り札は、あ=あげと(あご)、う=うまげな、お=おとっちゃま(臆病者)―など、五十音に対応した讃岐弁を、藤本さんならではの鮮やかなイラストに。読み札では、絵札に取り上げた以外の讃岐弁も2~3語紹介している。
中には、現在はあまり聞かれなくなった讃岐弁もあり、10月に書店などで売り出してから、年配者だけでなく県外客や若い人たちにもじわじわと人気を集めているという。
藤本さんは、発売前に同市檀紙町の「有料老人ホーム檀紙」にかるたを寄贈。さっそく遊び始めた80~90代の入所者たちは、取り札をテーブルに広げて「きれいやなあ」と感嘆。「ほんその孫は家の宝じゃ」などと読み上げられると、「懐かしなあ、『ほんその子』言よったなあ」などと語り合いながら、札を探していた。
施設を訪れた藤本さんは、「自分も含め高齢の方にとっては、デジタルのゲームよりやっぱり紙のかるたの方がなじみがあって、話の輪も広がる。若い人にも手に取ってもらえれば、讃岐弁の良さが伝わるのではないかと思う」と満足げ。同施設の白河雄士施設長は「高齢の方はなじみの言葉を聞くと、子どもの時を思い出して心が豊かになり、目が輝く。デイサービスの利用者にもぜひこのかるたを楽しんでもらいたい」と話していた。
1980円。県内の宮脇書店のほか、マルモ印刷(三豊市)のオンラインショップ(https://marumo-printing.stores.jp/)で扱っている。
(四国新聞・2025/11/05掲載)

