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讃岐のり染めと初コラボ 速水史朗の色彩世界 新作など50点 丸亀・24日まで
98歳の現在も精力的に制作を続ける彫刻家・速水史朗(香川県仲多度郡多度津町出身)の平面作品を中心にした個展が、丸亀市中津町の中津万象園・丸亀美術館で開かれている。今回は初の試みとして、大川原染色本舗(香川県高松市)とコラボレーションした讃岐のり染めのタペストリーを展示。モノクロの彫刻とは異なる力強い色彩空間が広がっている。24日まで。
公共スペースでの彫刻展示で知られる速水の新たな一面に触れてもらおうと、同館が「色彩(いろあい)―速水史朗の世界」と題して開催。1970年代の作品から新作まで約50点を紹介している。
コラボは速水側が交流のあった大川原染色本舗に依頼して実現。タペストリーは縦18メートル、横13メートルの大作6点で、速水が「人と人とのつながり」をテーマに描いた原画を讃岐のり染めの技法で再現した。速水のシンプルな線と染料の鮮やかな色彩が融合し、ダイナミックな迫力が感じられる。
和紙に墨や金ぱくをあしらった作品やカラフルなアクリル画、瓦のレリーフも並ぶ。いずれも彫刻作品に見られる丸い山のような形が見て取れ、速水が同じモチーフを大切に制作してきたことがうかがえる。
速水は「どの作品も自分一人の力では完成できなかった。多様な展示を楽しんでもらい、人とのつながりにも思いを巡らせてほしい」と話している。
観覧料は一般500円ほか。問い合わせは中津万象園・丸亀美術館、電話0877-23-6326。
(四国新聞・2025/11/06掲載)

