ニュース NEW
宇宙の始まり、神秘的に 美術家・武内優記「星屑のケイショウ」 来月7日まで・高松市塩江美術館
美術家の武内優記(長崎市出身)の個展「星屑(ほしくず)のケイショウ」が香川県高松市塩江町の高松市塩江美術館で開かれている。宇宙や元素から着想を得て制作した壮大で神秘的な世界を表現している。12月7日まで。
武内は金沢美術工芸大、東京芸術大大学院で彫刻を学び、現在は鳴門教育大美術科の准教授。物事が生まれる過程やそれらを構成する物質や素材について思索を深めながら、彫刻や映像、キネティックアート(動く美術作品)など多彩な作品を制作している。
本展では7点を出品。このうち、「手を触れずに練る(シホテアリン隕石(いんせき))」は宇宙の始まりを表現した作品。直径最大2メートルの五重のリングが回転し、中央には数センチ大の本物の隕石を配している。隕石に油粘土の小さな玉が打てる装置も設置。命中して粘土が石に付着することで作品は変化し続ける。地球が偶然の重なりで形成されたことに重ね合わせているという。
さらに、国際天文学連合(IAU)小惑星センターのリアルタイムのデータを基に、地球に接近している天体の速度や距離に応じてライトが点灯する仕掛けも施し、宇宙を「見える化」している。
また、元素をモチーフにしたのがモニュメント「100元」。118種それぞれの元素をアルミ缶や顔料などを用いて抽象的に表している。
武内は「彫刻の多面的な見せ方ができた。美術は楽しむためのものだと思う。肩の力を抜いて作品を見てもらえれば」としている。
入場料は一般300円ほか。問い合わせは高松市塩江美術館、電話087-893-1800。
(四国新聞・2025/11/13掲載)

