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「秋と春、一度に」 小豆島・石門洞 紅葉の中、サクラ開花
香川県小豆郡小豆島町神懸通の小豆島霊場18番札所・石門洞(小林正尚住職)で、鮮やかな赤や黄色に色づいた紅葉の中、ジュウガツザクラが淡いピンクの花を咲かせている。訪れたお遍路さんや散策を楽しむ家族連れらが、秋が深まる中、春を感じさせるかれんなピンクの花に心を和ませている。紅葉は11月いっぱい、サクラは来年1月上旬ごろまで楽しめるという。
石門洞は紅葉の名所・寒霞渓の一角にある山岳霊場。山肌を覆う岩や木々を生かした独特の庭園美で人気が高い。境内の奥にある庫裏の近くにカエデやジュウガツザクラなどがあり、紅葉は10月下旬から始まり、サクラは11月10日ごろから花を付け始めた。
ジュウガツザクラは、エドヒガンとマメザクラの種間雑種で春と秋の年に2回花を咲かせる。石門洞ではカエデの木の間に古くから2本があり、お遍路さんの間では「秋の楽しみの一つ」として、ひそかに知られているという。
小林住職は「寺院はきつい坂道の途中にある。自然がつくり出す美しい色合いで一息ついてもらえれば」とほほ笑む。お遍路で立ち寄った岡山市の山川和歌子さん(82)は「秋と春が一度に訪れたよう。色合いも明るくてきれいで縁起が良い」と話していた。
(四国新聞・2025/11/27掲載)

