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ベテラン記者のグルメ備忘録 この味を忘れない=カレーハウス ベンガル亭(香川県坂出市八幡町)芳醇、23種のスパイス
店前の専用駐車場。車から降りた途端、ほのかなスパイスの香りが鼻をくすぐる。じわり、と口の中が湿り出す。今日はカレー。そう決めたら、来るのはここしかない。創業から48年、坂出市八幡町の「カレーハウス ベンガル亭」。
入店。香りのギアが、一気にはね上がる。メニュー表を眺め、エビと白身魚の「シーフードカレー」(1460円)を注文。甘口、中辛など6段階の辛さから「辛口」を選んだ。厨房(ちゅうぼう)からジュージューと具材を炒める音と共に、バターと白ワインも香り出す。五感、特に嗅覚への刺激がすさまじい。腹が騒ぐ。が、水を飲むのも今は我慢だ。
テーブルに待望の一皿。鮮やかな黄色いターメリックライスに温かなルーをゆっくり注ぐ。立ち上る湯気すら、芳醇(ほうじゅん)。一口。23種類のスパイスが複雑に絡み、奥深い香りが押し寄せる。一口。1日煮込んだタマネギの甘み、鶏がらスープのうまみがにじむ。辛さを抑え、風味が際立つ甘口ルー(680円)も追加し、一口、一口…。減っていくルーとライスが悲しい。
絶品のスパイス調合を成してなお、73歳のオーナーシェフ横川俊弘さんは「まだまだ探求中」と励んでいる。名人の味、本当にごちそうさまでした。店を出て車の中へ。取材ノートを開くと、残り香が漂った。
(四国新聞・2025/12/05掲載)
カレーハウス ベンガル亭
| 所在地 | 香川県坂出市八幡町3-3-16 |
|---|---|
| 営業時間 | 午前11時~午後3時(金曜は午後5時~同8時の夜営業も) |
| 定休日 | 火、水、木曜日 |
| TEL | 0877-45-6228 |

