ニュース NEW
あなぶきアリーナ香川が最優秀 ユネスコのベルサイユ賞
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は4日(日本時間5日)、「世界で最も美しい建築」を表彰する「ベルサイユ賞」の2025年スポーツ部門で、今年2月に開館した香川県高松市サンポートのあなぶきアリーナ香川(香川県立アリーナ)を最優秀賞に選んだ。スポーツ部門の最優秀は国内初。瀬戸内の景色に溶け込む白い流線形のアリーナの美しさが世界に認められた。
あなぶきアリーナ香川は、世界で活躍する建築家・妹島和世さんと西沢立衛さんのユニット「SANAA」が設計。メイン、サブの両アリーナと武道施設を緩やかなドーム状の屋根でつないでおり、建物内部には壁で仕切らない開放的な空間が広がっている。
アリーナはベイエリアの新たなランドマークとして人気を集め、サザンオールスターズや乃木坂46など有名アーティストが続々と来演。プロジェクションマッピングも行われている。
アリーナが建つサンポート地区は3年に1度開かれる瀬戸内国際芸術祭の玄関口。直島の地中美術館などを目当てに世界中から訪れる観光客が増えている。音楽や大道芸の大型イベントが定期的に開催されるほか、週末にはマルシェでにぎわっている。
同賞を運営する世界ベルサイユ賞機構は「既存の広場や公園、港を一体化させ、街と海をつなぐ存在」とアリーナを紹介。「水平線に浮かぶ島々を思い起こさせる形状。内部には自然光が降り注ぐ魅力的な施設になっている」などと評価している。
フランス・パリのユネスコ本部で開かれた授賞式には淀谷圭三郎県教育長が出席。表彰状などを受け取り、「香川は日本一小さな県だが、アリーナが面する瀬戸内海の美しさは『世界の宝石』と称される。ぜひお越しください」とスピーチした。
ベルサイユ賞はユネスコ本部が15年に創設し、世界の優れた建築物やインテリアを毎年表彰している。今年はスポーツやホテル、美術館などの8部門で選定。あなぶきアリーナ香川は11月、スポーツ部門のノミネート6施設に選ばれていた。
日本の最優秀賞は、17年のショッピングモール部門「東急プラザ銀座(現ギンザノボ)」(東京)、20年のホテル部門「アマン京都」(京都市)、24年の美術館・博物館部門「下瀬美術館」(広島県大竹市)に続いて4件目となる。

