老舗しょうゆメーカーの鎌田醤油(しょうゆ)(香川県坂出市)が、経営の多角化を進めている。これまでにしょうゆを生かした菓子、つくだ煮、レトルト総菜などの多様な商品を市場に投入したのに続き、今秋には飲料ブランド「わたしののみもの」を立ち上げ。第1弾として、日本の伝統的な健康飲料である「糀(こうじ)あまざけ」を発売した。


鎌田醤油が発売した「糀あまざけ」

鎌田醤油が発売した「糀あまざけ」


 同社は1789(寛政元)年創業。看板商品「だし醤油」の累計販売個数は、1965(昭和40)年の発売以来、4億個(200ミリリットル換算)を超える。
 共働き世帯の増加や高齢化で食事の簡便化志向が強まる中で、しょうゆを使った「ご飯のお供」を10年ほど前から相次いで開発。昨年には、同社のだし醤油を使ったレトルト総菜シリーズ「いつものごはん」を立ち上げ。これまでに肉じゃが、サバのうま煮、牛ゴボウなど5種類を販売し、好評を得ている。
 こうしたしょうゆを生かした食品の拡充に加え、新たな柱として立ち上げたのが、わたしののみもの。第1弾はしょうゆ醸造の工程に通じるとして、発酵飲料の「糀あまざけ」にした。原材料にこだわり、北海道産ブランド米「ゆめぴりか」と国産米の米こうじのみを使用。粒感控えめでなめらかな口当たりが特徴のノンアルコール甘酒で、子どもから大人まで安心して飲める一品に仕上げた。


「わたしののみもの」のブランドロゴ


 坂出市本町と高松市藤塚町の直営店などで販売。1本当たり180ミリリットル入り490円、720ミリリットル入り1350円。「これまでしょうゆを中心に、食事を作ること、食べることに寄り添ってきたが、これからは飲むことでもお客さまを満たしていきたい」と担当者。2026年初夏に第2弾商品の販売を予定している。

(四国新聞・2025/12/10掲載)


鎌田醤油の公式通信販売サイト


関連情報