香川を訪れるインバウンド(訪日外国人客)が増加する中、県観光協会は、地震などの災害に遭った外国人客を支援しようと、防災マニュアルを初めて作成した。多言語に対応した外国人客向けと、外国人客を受け入れる観光事業者向けの2種類があり、避難に必要な情報などを分かりやすく提供し、言葉の壁が原因で“情報弱者”に陥りやすい外国人客のサポート体制を充実させる。


県観光協会が作成した訪日外国人客向けの防災マニュアル


 全国では、外国人客に避難情報や交通情報が伝わらず、混乱につながる例が相次いでいる。県内でも訪日外国人客が年々増加していることから、防災マニュアルを作成した。

 外国人客向けのマニュアルは、英語、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語、タイ語の5種類を用意し、地震や大雨といった災害別に、緊急時に取るべき避難行動や心構えなどを解説。また、県の国際交流員らの意見を参考に、県内の災害拠点病院や外国人への対応が可能な宿泊施設の一覧などを載せた。

 災害用伝言ダイヤルの使い方や県多言語コールセンターの連絡先などを載せたページもあり、冊子から切り離し、カードサイズに折りたたんで携行することができる。A4判、カラー刷り9ページで、言語ごとに5千部作成。JR高松駅の観光案内所や高松空港、宿泊・観光施設などに配布した。

 宿泊施設や交通機関などの観光事業者向けマニュアルは、万一の際の避難誘導や情報提供に役立つ情報をまとめた。外国人客に状況を説明したり避難を促したりするための多言語の文例集のほか、コミュニケーションを円滑化する絵文字「ピクトグラム」の例も盛り込んだ。A4判、カラー刷り20ページで、5千部作成。県内の観光事業者に配布している。

(四国新聞・2019/09/24掲載)


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