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「千代姫」の物語を追体験 挿絵担当の辻野(坂出)原画展 全262話を一堂に 高松・2月1日まで
昨年、本紙で掲載された連載小説「千代姫」(井下正三郎作)の挿絵原画を手がけた香川県坂出市のイラストレーター辻野由樹の個展が、香川県高松市中野町の珈笛画廊ほのほで開かれている。墨と水彩で手がけた全262話の挿絵を掲載順に展示。高松藩主の妻として激動の時代を生きた千代姫の物語を追体験することができる。2月1日まで。
千代姫は2025年1月から10月まで連載。大老・井伊直弼の娘に生まれ、最後の高松藩主・松平頼聰の妻となった千代姫が主人公で、幕末の荒波の中で一度離縁しながらも独身を貫き、明治期になって復縁した、愛と成長の物語を描いている。
今展は「辻野由樹展 挿絵でめぐる『千代姫』の世界と私の世界」と題し、習作も含め約300点を展示した。
「時代もの」のイラストは初挑戦だったという辻野。高松城などの建築や登場人物の衣装は入念に史料を調べ、「幕末から明治にかけての雰囲気が出るよう心を砕いた」と振り返る。「夫と離縁するなど千代にとってつらい場面もあったが、暗くなり過ぎないよう意識した」とも。人物以外に花や動物の温かい描写も見どころで、「物語の合間のほっとする表現にも注目して」と話す。
坂出市を拠点に個展やワークショップ講師など幅広く活動し、近年はゆうちょ銀行のカレンダーの挿絵も手がけた辻野。今回は地元の歴史に関して多くの学びがあったと語る。「悪戦苦闘しつつも楽しんで制作した私の記録をぜひ見てほしい」と呼びかけている。
香川の風景などを題材にした近作7点も展示販売。問い合わせは珈笛画廊ほのほ、電話087-833-2308。
(四国新聞・2026/01/15掲載)

