丸亀市浜町の市猪熊弦一郎現代美術館は28日から、画家の猪熊弦一郎(1902~93年)がスケッチブックに描いた作品の複製画30点を、同市内の30店舗の飲食店や商店に1点ずつ展示する「いのくまさんのスケッチブック アートはバイタミン」を実施する。


猪熊弦一郎がスケッチブックに描いた作品。〈題名不明〉1977年


 30店舗のうち12店舗はJR丸亀駅や商店街の周辺にあり、瀬戸芸秋会期で本島を訪れた人にまちなかを回遊してもらうとともに、丸亀城内の市立資料館で28日~11月17日に開かれる企画展「くらしの中の愛しき友 ―猪熊弦一郎の作品とコレクション―」まで誘客する。飯山町や綾歌町などのほか、本島の2店舗にも飾る。


〈題名不明〉1981年


 猪熊画伯が多く残したスケッチブックは、気負わず自然体で描いている点でカンバスに描いた作品と違う面白さがあるという。美術館で展示するときは1冊のうち見開きの1ページしか紹介できないが、複製画にすることで多くのページを気軽に見てもらえる。

 今回の企画では、明るく鮮やかな色使いが魅力的なスケッチブック3冊を取り上げる。複製画の大きさは縦35センチ、横27センチ程度。複数の展示店舗を巡ることで、1冊ごとに違うさまざまな作風や技法、モチーフの種類や組み合わせを見比べることができるという。

 同館は「なじみの身近な店で飲食も楽しみながら、気軽にゆっくりと猪熊作品の魅力に触れてほしい」と呼び掛けている。

 実施期間は来年3月31日まで。展示する店舗や営業時間の詳細はホームページで確認できる。問い合わせは同館〈0877(24)7755〉。

(四国新聞・2019/09/27掲載)


いのくまさんのスケッチブック アートはバイタミン


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