高松市美術館(香川県高松市紺屋町)でコレクション展「未来をひらく『美術』―戦後香川と高松市美術館」が開かれている。同館の開館に奔走した漆芸家明石朴景や、女性洋画家の草分け的存在の藤川栄子ら県出身の作家による戦後の作品を中心に35点を紹介。アート県・香川の源流をうかがい知ることができる。3月11日まで。


香川ゆかりの作家による戦後の作品を中心に紹介するコレクション展=香川県高松市紺屋町、市美術館

香川ゆかりの作家による戦後の作品を中心に紹介するコレクション展=香川県高松市紺屋町、市美術館


 同館は1949年、栗林公園内に「高松美術館」としてオープン。終戦の翌年に復員した明石が、焼け野原の中に栗林公園だけが森として残っているのに驚かされ、美術館建設を決意したという。建築は猪熊弦一郎の紹介で、モダニズム建築の名手・山口文象が手がけた。会場では往事の同館の様子が分かる模型を展示している。
 女性画家の地位向上を目指し、47年に三岸節子らと「女流画家協会」を創設したのが藤川。裸婦や静物を画題に、ピカソに象徴されるキュービスムによる表現を追求してきたことがうかがえる6点を展示。合わせてロダンに師事した彫刻家の夫・勇造によるブロンズ像も鑑賞できる。
 戦後の混沌(こんとん)とした状況下でも、制作の手を止めなかった香川ゆかりの作家たち。繊細な模様が浮かぶ明石の「蒟醤(きんま) 水仙華紋篋(すいせんかもんはこ)」、アンリ・マティスらに影響を受けた猪熊の「緑陰」などがその足跡を伝えている。
 このほかピカソやロダンらの作品や、昨年急逝した高松とゆかりの深い映像作家大木裕之の映像作品も紹介している。
 展示室2では同29日まで「讃岐漆芸の美」を開催中。一般200円ほか。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2026/02/19掲載)


高松市美術館公式サイト



関連情報